プーチンもびっくり!? ドストエフスキーの霊言で明らかになった驚くべきロシア文学の世界史的意義
2017.09.17
モスクワのロシア国立図書館前にあるドストエフスキー像。/ Shutterstock.com
霊言
公開霊言「ドストエフスキーの霊言」
2017年7月27日収録
ロシアが誇る大文学者の一人といえば、フョードル・ドストエフスキー(1821~81年)だ。「信仰なき時代」における「殺人」や「テロ」、「幼児虐待」など、現代の様々な問題を先取りした作品は輝きを失うことなく、今なお現代人の心を引きつけている。
日本では明治時代以降、ドストエフスキーの翻訳本が繰り返し出版されてきた。日本で初めて翻訳した小説家の内田魯庵は、初めて『罪と罰』を読んだときのことについて、「直ちにドストエフスキーの偉大なる霊と相抱擁するような感に充たされた」と語っている(『二葉亭余談』より)。
その他、『ジキル博士とハイド氏』や『宝島』の筆者であるイギリスのスチーブンソンも、『罪と罰』を高く評価。ドストエフスキーは、スチーブンソンの作品にも影響を与えていると評されている。また、殺人事件とその謎解きに関するストーリーの組み立ては、後世の推理小説に大きな影響を及ぼしたとされる。
こうした作品の奥には何があるのか。大川隆法・幸福の科学総裁はこのほど、ドストエフスキーの霊言を収録した。
文学者を越えた存在だった、ドストエフスキーとトルストイ
ドストエフスキーの霊は「 ロシア人のインテリゲンチャ(知識人)の総帥みたいな感じで出ようと思って計画したことは事実 」としつつ、自身がかつてゾロアスターとして生まれていたことを明かした。
ゾロアスターが開いた「ゾロアスター教」とは、かつてペルシャ(現在のイラン)で起こった宗教であり、善悪の違いを説くとともに、光の神であるオーラ・マズダを信じることを教えている。交易活動を通じ、中東からエジプト、アフリカ、インド、中国にまで広がり、一時は世界宗教の様相を呈した。ゾロアスターは幸福の科学の霊査により、仏陀やイエス・キリストと同じく、救世主としての使命を持つ「9次元大霊」であることが分かっている。
本誌2012年11月号の記事「天国か地獄か 文学者霊界マップ」の世界の文学者霊界マップは、ドストエフスキーが死後、地獄の世界にいることを示唆していたが、これには訂正が必要だ。幸福の科学の霊査においては、複数の霊人の霊言をもとに「三角測量」の如く実証を積み重ねていくうちに、霊界の新しい事実が明らかになることがある。
本霊言を通して、実際はドストエフスキーが救世主的存在としての使命を持って生まれていたことが明らかになった。
また、ドストエフスキーと並んで「ロシア文学の2大巨頭」として知られるトルストイ(1828~1910年)は、2012年に収録された「トルストイの霊言」において、自身が「イエス・キリスト」の生まれ変わりであることを明かしていた。
ドストエフスキー霊は、「 私やトルストイさんが出て、思想のレベルとしては上がったと思うし、ロシアが世界の中の思想の発信源的な位置付けとして知られるようになったという意味では大きな意味があったと思う 」と語った。
実際に、両者の活動は世界史において、どのような意義を持っていたのか。改めて、見直してみよう。
ロシア文学は「世直し活動」そのものだった
ロシア文学の意義を理解するには、時代背景や、ロシアの文化的な土壌を知る必要がある。哲学、論理学を専門とし、現在は幸福の科学の高等宗教研究機関ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)人間幸福学部のアソシエイト・プロフェッサーを務める伊藤淳氏はこう語る。
「ドストエフスキーが生まれた19世紀は、ロシア・ロマノフ朝の政治が行われていた時期でした。この時代において『文学』という言葉は、私たちがその言葉から通常イメージする意味合いをはるかに超えて、政治運動的、宗教改革的色彩をもった世直し活動全般を包含するものでした。
当時は、専制的な皇帝政治のもと、厳しい言論統制、検閲が行われていて、当局の宗教や政治政策に口を出すと流罪・処刑されることが普通でした。本来であれば宗教家や政治思想家として活躍すべき人たちが、"変装"して文学運動に身を投じたのでしょう」
ナポレオン戦争後の「最も暗い反動時代」と呼ばれるニコライ一世の治世(1815~55年)においては、検閲が徹底された。そんな政治的に抑圧された環境下で、ロシア文学の世界では「ゾロアスター教」的なものと「キリスト教」的なものとが同時に復活し、政治的ムーブメントにもつながっていったことになる。
トルストイはその文学作品の中で身分の違いによる不平等や権威主義などを批判。文学者として成功を収めてから、飢饉への支援を行ったり、農村運動を起こしたりと、社会変革・政治的な活動にも足を踏み入れていった。
2012年に収録されたトルストイの霊言で、トルストイの霊は自身が目指していたものについて「 身分や経済力の差が、人間の偉さの差になるようなところについて、『何らかの救いが要る』という気持ちはあった 」と言及。「 『平和をつくり出したい』という気持ちや、『平等精神をつくって、人々に幸福感を分かち合ってもらいたい』という気持ちは持っていた 」と明かした。
また、ドストエフスキー霊は自身の作品について、「 民衆でも手にすることができるバイブルとしては、文学くらいしかない 」「 私の文学の中にもイエスの考えや影をいっぱい忍び込ませているし、社会の理不尽性を、難解な文章を通じて相当告発はしている 」と述べると共に、「 あまり分かりやすすぎるとすぐに弾圧を受けることになる 」と、文章の難解さに秘められた秘密を語った。
犯罪小説? 権力批判?
「社会の理不尽性」の象徴ともいえるのが、ドストエフスキーの作品『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフの殺人だ。ラスコーリニコフは、「前途有為な天才が、世に何も役立っていない強欲の老婆を殺して、お金を奪うことは許される」という論理を立てる。これについて、伊藤氏はこう語る。
「当時、フランスの反動的な皇帝ナポレオン三世が、『シーザー論』序文の中で、「ナポレオン一世のような非凡な天才は、凡人の法によって裁くことができない」という意見を発表し、ロシアでも各種新聞で大々的に取り上げられ、知識人の間で議論が沸騰していたということがありました。
ドストエフスキーは、『罪と罰』の中で、主人公が宗教的に改心する姿を通じて、「神の法の前には、天才(皇帝)も凡人(庶民)も平等である」という真理を訴えることで、暗にロシアの皇帝権力至上主義を批判しているのですが、表向きは個人的な犯罪小説という形で文学化した。常々ドストエフスキーの動向を見張っていた政府の官憲権力も検閲することができませんでした」
共産主義革命への警告も
しかも、ドストエフスキーが風刺や批判の対象にしたのは、皇帝権力、体制側の強権的姿勢だけではなかった。
「むしろそうした体制批判の側に立つ政治運動家たちに対しても、鋭く文学的な筆誅を加えました。反体制の運動家たちの多くは、同時に無神論的な"ニヒリストたち"であり、その旧体制打破の理想はよしとしても、その手段において人の命をなんとも思わない残虐な粛清を繰り返す、血塗られた無政府主義者に成り下がっていたからです。後期の代表作の一つ『悪霊』は、鬼気迫るほどの臨場感で、そうした無神論的革命家たちの暗躍とその末路を描き切っています」(伊藤氏)
ドストエフスキーとトルストイがこの世を去った後にロシア革命が起こり、1917年にソビエト連邦が樹立された。ところがそれは、ドストエフスキーが作品を通じて警告していた「無神論」や「暴力や粛清の肯定」を掲げる共産主義に基づく運動だった。
また、トルストイ霊も前出の霊言の中で、本来の自身の使命について「 本当は、ロシア革命の中軸になるような宗教を起こさなければならなかった 」と語り、マルクスが『共産党宣言』を出して世界の共産主義・唯物論化を進めようとしていたことについて「 何とか、それと違うものをつくっていきたかった 」と明かしている。
両者のメッセージが正しく受け止められていれば、その後のロシアの運命は大きく変わっていたかもしれない。
ロシアの文化的・政治的高み
ドストエフスキーの作品の『カラマーゾフの兄弟』には、「大審問官が、登場人物をイエスの生まれ変わりであることを見抜いたが、それでも迫害する」という記述がある。実際に、イエスの生まれ変わりだったトルストイは、ロシア正教から破門された。両者はある意味で、同時代に対になるように存在していたと言える。
時代的背景によってわざわざ「難解」に書かれた書籍に込められた思いを、今回収録されたドストエフスキーの霊言で知ることができる。トルストイの霊言と合わせて学ぶことによって、ロシア文学とは「専制主義」や「全体主義」「共産主義」と戦い、人間にとっての宗教の意味を伝えるものであって、救世の役割を秘めていたことが明確になるだろう。
※大川隆法総裁による「ドストエフスキーの霊言」の映像は、全国の幸福の科学の支部・拠点・精舎・布教所で拝聴できます。ここに紹介したのは霊言のごく一部です。詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
お問い合わせは、以下の連絡先まで。
・幸福の科学サービスセンター
Tel:03-5793-1727 : 火~金/10:00~20:00 土日/10:00~18:00
・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス
【関連書籍】
幸福の科学出版 『トルストイ 人生に贈る言葉』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=813
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