アメリカと北朝鮮の緊迫続く トランプの狙いは金正恩の“無血開城”か
2017.09.02
《本記事のポイント》
- 北朝鮮のミサイル発射を受け、アメリカと北朝鮮の緊迫状態が続いている。
- この衝突は、中国や北朝鮮などの「全体主義国家」と日米などの「自由民主主義国家」の戦い。
- もしアメリカが北朝鮮に対し軍事行動を起こしても、自衛と人道的介入の面で正当性がある。
北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の挑発的な言動は止まる気配がありません。
北朝鮮が8月29日に発射した中距離弾道ミサイル「火星12」は、北海道上空を通過し、襟裳岬から1180キロの太平洋上に落下。金氏は「(米領)グアムをけん制する前奏曲となる」と述べ、アメリカを威嚇しています。
北朝鮮はさらに、「日本列島ごときは一瞬で焦土化できる能力を備えて久しい(朝鮮人民軍戦略軍の9日の声明)」「すでに我々の軍はアメリカ本土を目標の中にとらえて発射待機状態に入っており、最後の攻撃命令を待っている(12日付政府機関紙「民主朝鮮」)」と、日米への恫喝を繰り返しています。
北朝鮮のミサイルが日本上空を通過するのは、2009年以来のことです。日本では、ミサイルの発射を知らせる「Jアラート」が関東地方から北海道の広い範囲で発令されました。
金正恩氏とトランプ氏の守護霊が激論
アメリカと北朝鮮のどちらが先に攻撃してもおかしくない緊迫状態に入っています。そんな中、大川隆法・幸福の科学総裁は29日午後、今後の展開を見通すため、金正恩氏の守護霊霊言を日本語で、トランプ氏の守護霊霊言を英語で収録しました( http://the-liberty.com/article.php?item_id=13456 )。
本欄ではその衝撃的な内容の一部を紹介しながら、この対立の本質について考えます。
金正恩氏の守護霊は、アメリカを攻撃する前に日本や韓国を攻撃すると豪語し、「アメリカはすぐには反撃できないだろう」と、楽観的な見方を示しました。また、北朝鮮はアメリカが把握している以上のミサイル基地を持ち、地下道を張り巡らせていると明かしました。
北朝鮮は、韓国との国境である38度線沿いに数千基のロケット砲や長距離砲を配備しており、ソウルへ向けて一斉砲撃した場合、甚大な被害が出る。また、国内に少なくとも数百の移動式ミサイル発射台があるといわれています。
一方、トランプ氏の守護霊は、そんな北朝鮮に対して、「大規模な攻撃」を行う考えがあることを示唆しました。地上のトランプ氏本人も、北朝鮮がグアムにミサイルを発射すると発言した際、「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」と警告しましたが、本霊言では、その本心の一端が明かされました。
全体主義と自由・民主主義の戦い
現実的な話として、アメリカの北朝鮮への攻撃についてどう考えるべきなのでしょうか。現在書店で発売中の本誌10月号では、次のように指摘しています。
(1) アメリカが攻撃しない場合の危険性
現在、北朝鮮はアメリカ本土に届く核ミサイルの開発を急速に進めています。もし北朝鮮が核ミサイルを完成させれば、「アメリカ本土の大都市を核攻撃できる」ようになります。もしそうなれば、アメリカが北朝鮮に反撃すると、北朝鮮から核ミサイルが飛んでくる恐れがあります。もはやアメリカは、世界の「スーパーパワー」ではなくなり、中国や北朝鮮は各国への軍事的威嚇を強めることは間違いないでしょう。
つまりアメリカと北朝鮮の衝突とは、アメリカや日本などの「自由と民主主義の国」が今後も世界のリーダー国として存続できるか、それとも中国や北朝鮮のような「思想や言論の自由がない全体主義の国」が世界を恐怖で支配するか、という戦いなのです。
(2) アメリカの攻撃が認められる理由
もしアメリカが北朝鮮に対して軍事行動をとる場合、正当性があるといえるのでしょうか。
そもそも、ある国が自国や同盟国に明確な攻撃の意思を示した場合、先制攻撃することは国際法でも認められています。北朝鮮は日米に対し、繰り返し「核攻撃を行う」と警告していました。攻撃の準備が確認された時点でアメリカが攻撃しても、それは「自衛権の行使」となります。
それでは、もし攻撃の兆候もない状態でアメリカが攻撃した場合はどうでしょうか。自国や同盟国を守れなくなる恐れがある段階で行う「予防攻撃」は、自衛権の範囲を超えるとされています。
しかし金政権は、倫理観が著しく欠如した独裁政権であり、国民によって選ばれた政治家が核の使用を判断する民主的な国とは違います。一発で数十万から数百万人殺せる兵器を、独裁者がまもなく手に入れる。これを止めるために軍事的な手段を取ることには正当性があるといえます。
また、「人道的介入」として国際社会から支持される場合もあります。
例えばトランプ政権は今年4月、シリアのアサド政権が化学兵器を使用して民間人を虐殺したと判断し、空軍基地をトマホークミサイルで爆撃しました。日本や西欧諸国は、これを「人道的介入」として支持しています。
北朝鮮政府は国民を弾圧して強制収容所送りにしたり、拷問や粛清をしたりしています。北朝鮮旅行中に拘束された米学生のオットー・ワームビア氏もその犠牲となりました。このような非人道的な政権への攻撃は、「人道的介入」といえます。
金正恩氏は無血開城を
大川総裁は、冒頭で紹介した守護霊霊言を収録した著書『緊急守護霊インタビュー 金正恩vs.ドナルド・トランプ』のまえがきで、金正恩氏に対し、次のように述べています。
「 私からは、北朝鮮が一日も早くミサイル開発や核開発をやめて、無血開城を受け容れることを勧めるのみである。国民を護るための潔さも、国のトップの重要な資質である 」
トランプ氏は激しい言葉で北朝鮮を批判し、軍事行動を示唆する発言もしています。しかしそれは単に好戦的だからではなく、金正恩氏に"無血開城"を促すための手段という側面もあるのではないでしょうか。
(小林真由美)
【関連記事】
2017年8月31日付本欄 北朝鮮が弾道ミサイルを発射 トランプ大統領の「炎と怒り」発言の真意とは?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=13456
2017年8月19日付本欄 北朝鮮の攻撃に対し、あらゆる準備ができている 元太平洋軍司令官 ティモシー・キーティング氏インタビュー
http://the-liberty.com/article.php?item_id=13394
2017年8月3日付本欄 北朝鮮への警戒強めるアメリカ 自主防衛を急ぐ韓国、出遅れる日本
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画