宇宙部隊に惑星護衛官。次第にリアルになりつつあるET(地球外生命体)
2017.08.22
《本記事のポイント》
- 日本の航空自衛隊に「宇宙部隊」が創設される。
- アメリカでは、「ET(地球外生命体)ハンター」を募集中。
- 「宇宙」が日常の一部になりつつある。
日米で宇宙関連のホットな話題が続いている。
まずは、日本の航空自衛隊に「宇宙部隊」が創設されるというニュースだ。このほど読売新聞が報じたところによると、防衛省は人材育成に関する経費を来年度予算の概算要求に盛り込む予定という。
宇宙部隊の任務は、宇宙空間に飛んでいる日本の人工衛星を守るため、宇宙ゴミ(スペースデブリ)や対衛星兵器などを常に監視するレーダーなど宇宙監視システムの整備と運用だ。
宇宙空間において、地球の軌道を周回している無数の人工衛星や、ロケットなどの破片であるスペースデブリは高速で回転しており、それらが万が一、人工衛星に衝突すると、大きな事故になる。国際的にも大きな問題となっており、世界中でデブリの除去方法が研究されている。今回の部隊は、直接、宇宙ゴミを回収して回るものではなく、監視する部隊である。
アメリカでは「ETハンターを募集中」
アメリカは、地球周辺のゴミの監視もしているが、ET(地球外生命体)の監視もしている。ETといっても微生物などの地球外生命体のことである。NASA(米航空宇宙局)では、その「ETハンター」を募集中だ。その名も「Planetary Protection Officer(惑星護衛官)」。
任務は、太陽系内の他の惑星や衛星に、地球の探査機などから微生物などを持ち込まないことと、同様に地球にも外から持ち込ませないことである。護衛官というより「防疫官」といえるかもしれない。仕事は主として、分析など机上の仕事で、決して宇宙空間を消毒して回るわけではない。
ETの侵入を防ぐと言えば、7月に公開された映画「ライフ」が、まさにそれだ。未知のET細胞が地球へ侵入するのを防ごうと死闘するも、トンデモない結末となるSFホラーだが、実際アメリカでは「地球外生命体の発見は時間の問題」といった記事や他惑星からの生物学的汚染の問題がたびたび話題になっている。
国防長官の反対を押し切って可決された法案
さらに、アメリカでは7月14日、「宇宙部隊」を創設する法案が下院本議会を通過した。国防総省やマティス国防長官の「時期尚早で、さらなる調査が必要」という反対もあって上院ではその条項が削除されていたが、本来は宇宙での中国、ロシアとの武力衝突を想定したもので、下院では344対81ですんなりと可決されており、いずれまた提案される可能性がある。
「宇宙」が、日常の一部になってきた。日本でも宇宙への監視が始まると、様々なET(地球外の微生物から知的生命体まで)と出会うかもしれない。そうすれば、いよいよ日本も地球外の機密情報を持てる日が来るかもしれない。(純)
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