トランプ勝利も、英国EU離脱も予測した――大川隆法の未来分析2020【国内政治編】
2017.07.20
波乱の政局に、乱気流の経済、トランプ政権の行く末に、中国・北朝鮮の動向――。数年後、時代がどうなっていくのか、ますます見通しにくい時代となっている。
本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた大川隆法・幸福の科学総裁による、予想的中の実績と、これからの「未来分析」を紹介する。
今回は、「国内政治」編。
(1)日本の政権運営
民主党による「日米同盟の亀裂」「鳩山不況」「増税」を予想
まずは、日本の各政権運営の見通しについて。
2009年の衆院選で、メディアは「民主党の政権交代への期待」を盛んに報じていた。しかし、選挙前の7月、大川総裁は民主党政権の危うさをこう指摘した。
「 日本の民主党は、国防関係については理解がなく、アメリカの民主党でさえ、『日本の民主党の人に会ってもしかたがない』と言っているほどです。アメリカとの間に亀裂が入るおそれが、そうとうあります 」(『 幸福維新 』所収)
実際、鳩山由紀夫・元首相は、沖縄の海兵隊基地について「最低でも県外移設」などを訴え、アメリカを怒らせる。米メディアからは「ルーピー(間抜け)」などと批判された。それにより国民は失望し、支持率は下がる。鳩山氏は、挙句の果てに「学ぶにつけて、(海兵隊が)抑止力を維持していることが分かった」などと発言し、辞任した。
同じく政権交代前の2009年8月、大川総裁は「 これから"鳩山不況"の恐怖の十年間が来るかもしれない 」(『日本を夢の国に』所収)とも指摘した。実際に民主党は、公共事業を大幅に削減し、「GDP大幅下方修正 設備投資マイナス 『鳩山不況』現実味」(2009年12月10日付産経新聞)などと報じられた。
また大川総裁は消費税についても「 民主党は (公約で) 『四年間は上げない』と言っていますが、いずれ上げる気ではあると思います 」(『 幸福維新 』所収)と分析。実際に、4年も経たない2012年、野田佳彦政権は消費増税法案を提出し、成立させた。
安倍政権・自民党はもう「策が尽きている」
では、今後の安倍政権はどうなるのか。
大川総裁は、支持率が50%弱という高水準で推移していた2016年9月の段階で、こう指摘していた。
「 支持率はあるけれども、やはり、『政権末期の匂い』がしますね。(中略)今は『惰性で飛んでいるグライダー』のような感じに見えなくもないので、策は尽きているのではないでしょうか 」(『 自称"元首"の本心に迫る 』所収)
実際、2017年に入って「森友学園」「加計学園」などのスキャンダルが噴出し、安倍政権への"幻想"が一気に崩れた。支持率は、過去最低の30%以下にまで落ち込んだ。
安倍政権以降の自民党の課題についても、大川総裁は、同党が参院選で大勝すると言われていた2013年7月時点で、こう指摘している。
「 自民党のほうにも次の哲学がありません。『安倍さんの次に出てくる人は、どういう哲学を持つべきか』と言っても、それがないのです 」(『 政治革命家・大川隆法 』所収)
今後、安倍政権は支持率回復のため、内閣改造や新たな政策発表など、様々な手を打ってくるだろうが、本当はもう策が尽きている。パフォーマンス的なものや、バラマキ中心の政策ばかりで、「苦し紛れ」感の拭えない政策ばかりが出てくることが予想される。
(2)日本経済
消費税による「アベノミクス失速」を予想
次に、日本経済の見通しについて。
大川総裁は安倍政権が誕生する前から、いわゆる「アベノミクスを先取る」かのような提言をしている。
2009年7月には「 幸福実現党は、『三パーセントぐらいの経済成長を目指す』と言っていますが、インフレターゲットを設けているわけです 」(『 幸福維新 』所収)と、現在の日銀の「異次元緩和」に当たる提言をした。
そして2010年には「 まず、通貨の供給量を増やすことです。とりあえず『人工インフレ』をつくるしかありません (第一の矢)。 消費税廃止だけでは足りないので (第二の矢)。 そして、インフレを起こしたあと、経済が実体を伴うために、新しい資金の供給に見合った産業を育成することが大事です (第三の矢)」(『 危機に立つ日本 』所収)と、「アベノミクス(旧)3本の矢」の原型を提言している。
実際、2012年に誕生した安倍政権は、その「三本の矢」を掲げ、「第一の矢」である「金融緩和」を行って、株価を大きく上昇させた。
しかしその後、消費税率を8%にまで上げることが決定される。税率が上がる直前の2014年1月、株価は1万5千円前後まで上がっていたが、大川総裁は次のように述べ、「まだ本物の景気回復になっていない」と指摘した。
「 株式の全体の平均は上がっているものの、基幹産業系が、それほど回復していないところが大きいと思うのです。 (中略) おそらく、今、平均株価が上がっているのは、お金が大量に出てきているにもかかわらず、使い途がないので、そのお金を押しつけられた金融機関あたりが企業の株を買っているか、あるいは、機関投資家等が買っているからでしょう。そのくらいのことです。本当に企業業績がよくなって株価が上がっているわけではないというところを、見落としてはいけません 」(『 忍耐の時代の経営戦略 』所収)
そして、その段階での消費税率上げは、「 『アベノミクス』潰しの挙 」として失敗を予想した。
実際に、政府がデフレ脱却の目安として目標としていた「物価上昇率2%」は、未だ達成される見込みがない。それどころか、総務省が発表する「2人以上世帯の消費支出」は、5月時点で15カ月連続の前年同比マイナスになるなど、景気は明らかに失速している。
アベノミクス、「消費税」の次の敵は「金融機関の信用」
では、今後の日本経済の見通しはどうか。
大川総裁は、アベノミクスにはさらにもう一つ課題が出てくるとして指摘する。
それは、1990年代の、金融機関による"貸し剥がし"の後遺症だ。
「自己資本を充実し、不良債権を引き揚げろ」という名目の元、各中小企業から融資を回収したため、倒産や経営者の自殺が相次いだのだ。大川総裁はこう分析する。
「 銀行から『お金を貸しましょう』と言われても信用できないし、銀行自体も、自分たちのことでさえ、いつどうなるか、信じられないでいるのです。 (中略) まず、金融機関にもっと信用をつけなければなりません。その法則を編み出さなければ、次の道は開けないのです。 (中略) アベノミクスに付け加えるとすれば、次のステップはここでしょう 」(『 地球を救う正義とは何か 』所収)
(3)教育問題
「ゆとり教育」の失敗を予想
次に、教育政策について。大川総裁は、「ゆとり教育」の危険性についても指摘していた。
1992年、文部省官僚の寺脇研氏が「脱偏差値」を宣言し、学力競争を否定する"教育改革"に着手。「脱偏差値は時代の流れ」(読売)など各紙は肯定的に報じた。「ゆとり教育」導入への議論が進んでいた。
それに対して大川総裁は1999年3月、こう指摘した。
「 競争をなくせば、ゆとりが生まれてユートピアができるかというと、そうではありません。そのゆとりは、ユートピアにつながるように見えて、実際は、ゆっくりと地獄へ続いている道なのです。 (中略) まず、有用な人材がいなくなり、価値を生み出せなくなります。その結果、国富が減って国が貧しくなり、生活のレベルが下がってきて、国民はあえぎはじめます。やがて、他国との競争に負けて貧困国になり、他国の援助を受けなければならなくなります。そして、最後には奴隷的国家になり、卑屈な国民になっていきます。このように国家の衰退が起きてくるのです 」(『 奇跡の法 』所収)
しかし2002年に、学習内容を大幅に削減した新学習指導要領が実施され、「ゆとり教育」が本格化した。
その後、子供たちの学力は低下。2005年から公式にゆとり教育の見直しが始まり、現場ではその前から少しずつ対策が取られた。授業時間は09年から増やされ始めた。
「創造性の教育」が資本主義の未来を拓く
では、次の時代の教育の課題は何か。
昨今、「資本主義が終わる」と言われることが多い。今までの時代は、「世の中のお金が、成長する産業に投資され、さらなるお金を生み出す」ことで繁栄してきた。しかし今、先進国を中心に、経済成長が止まり始め、お金の投資先もなくなり、世界中の金利がゼロに近づいているのだ。「資本が資本を生む循環」がなくなりつつあるというのだ。
この問題について、大川総裁は、答えは「教育」にあると分析する。
「 『どうやって、創造的な頭脳をこの国につくり出すか』ということが大事なのです。
これをやれば、だぶついている資金の使い道が出てきます。『資金がいくら出ても、それをどう使っていいか分からない』『事業のアイデアが湧かない』『新しい仕事が存在するということが、人々に見えない』『そういう需要が今後まだあるということが分からない』という状況においては、経済の停滞は続くわけです。
したがって、日本の資本主義が今後も続いていくための一つの手は、『創造的頭脳を数多くつくっていかなければいけない』ということです。その意味で、教育の生産性を高めなければいけません 」(『 資本主義の未来 』所収)
現在の日本の教育では、答えのある問題に対して、公式通りに、ミスなく取り組む能力を中心に訓練する。
しかしこれは、工業生産の時代に適した教育法だったといえる。これからの時代は、こうした基礎的な「処理能力」にプラスして、「新たな需要や」「前例のない仕事」を創造する頭脳が、ある意味で、工場の設備に代わるような時代になる。そういう意味で、教育において「起業家精神」的なものを教えなければいけなくなるということだ。
(「国際情勢」編に続く)
【関連サイト】
大川隆法 IN 東京ドーム
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