関東、中国、九州――全国に広がるミサイル想定訓練 今求められる、国を守る「力」

2017.06.11

《本記事のポイント》

  • 北朝鮮がミサイル発射を続ける中、有事を想定した訓練が全国で行われる
  • 75%が敵地攻撃に賛同
  • 日本人の命を守るためには、実質的な軍事力が必要

北朝鮮が断続的にミサイルを発射している。

8日には、短距離の地対艦巡航ミサイルが数発発射れ、200キロメートルほど飛行し日本海に落下した。日本政府は「わが国の安全保障には全く影響はない」と述べたが、北朝鮮は国営メディアで、「新型の地対艦巡航ミサイルの初めての発射実験に成功した」と大々的に発表している。

そんな中政府は、他国からの武力攻撃を受ける「武力攻撃事態」を想定した住民保護訓練を、長崎県と共同で7月にも実施するという方針を固めた。2004年に国民保護法が制定されて以来、大規模テロなどを想定した訓練は行われてきたが、外部からの武力攻撃に備えた訓練は初である。

具体的な有事に向けた訓練は、全国でも行われつつある。

4日には山口県阿武町と福岡県大野城市で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練が行われ、鳥取県の県庁でも6日、北朝鮮のミサイル着弾を想定した対応訓練が実施された。山梨県は7日、北朝鮮のミサイル発射を想定した避難訓練を行うことを表明。福岡県吉冨町も、同様の避難訓練を6月に実施する考えを明らかにした。

「妄想」として扱われてきた北朝鮮のミサイル攻撃が、「現実の脅威」として認識され始めている。いざという時に備えた避難訓練によって、数多くの命が救われるだろう。こうした動きに他県もこれに続くことが望まれる。

75%が敵地攻撃に賛同

ただ、それとともに、国を守る力を持てない今の日本を変える必要もある。

産経新聞とフジニュースネットワークが4月に実施した合同世論調査では、91.3%の人が北朝鮮による核・ミサイル開発に脅威を感じると答えている。さらに、敵基地への攻撃に賛同すると答えた人は75%を超え、反対と答えた人は19.2%に留まった。

戦後70年の間、武力を持たなければ無条件に平和が訪れると洗脳されてきた。今、現実の危機に面したことで、多くの日本人がその呪縛から解かれ始めていることがうかがえる。

一人でも多くの命を守るためには、個々人を守りたいという気持ちを、実際に国を守る力へと具体化させる必要がある。愛する家族や友人を守るため、敵地攻撃能力や抑止力としての核の保有に踏み切る「覚悟」が、今問われている。

(片岡眞有子)

【関連記事】

2017年6月5日付本欄 もしアメリカが北朝鮮を攻撃したら日本は? 元自衛隊幹部が語る(前編)

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2017年7月号 「核」着弾まで3分。その時、何をする? 北ミサイルから家族を守る 生存率を上げる33の行動 Part.1

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