ドイツも持っていた、UFO文書の数々
2016.12.13
北米、南米、欧州などの多くの国が政府機関によるUFO調査ファイルを持っている。その中でドイツの存在は希薄だったが、このほど、ドイツの超常現象サイト「Grenzwissenschaft-aktuell」が入手したUFOファイルについてサイトで紹介している。
編集者のアンドレアス・ミュラー氏は、ドイツの連邦情報局(BND)に対し、西ドイツ(当時)のUFO関連ファイルの開示を請求。「UFO」と題された67ページに及ぶファイルを入手した。西ドイツ、東ドイツ、チェコスロバキアの国境上のUFOの目撃についての文書が収められたこのファイルは現在、ドイツ西部のコブレンツにあるドイツ連邦公文書館で閲覧できる。
冷戦時のUFOは、東ドイツやチェコスロバキアに駐屯するワルシャワ条約機構軍(ソ連側)のスパイ活動によるものと想定されていたという。実際に、目撃された飛行物体の大半はソ連の偵察機や偵察用気球に酷似していた。しかし、各国のUFOファイル同様、一部にはどうしても説明のつかない報告もあったようだ。
なかでも印象的なのは、1986年8月、西ドイツの最前線に位置していたフェールマン島で、上空50メートルぐらいのところにホバリングしていたUFOを、海岸・国境両警備隊が調査した事件だ。結果は分からずじまいだったという。
このように、紛争中の国境上で目撃される説明のつかないUFOは、インドのカシミールなどでも目撃されている。敵なのか、それとも"誰か"が観察しているのかわからず、対処に困っているようだ。
ドイツのUFO情報開示については、2008年、当時のヴォルフガング・ショイブレ内務大臣が、「ドイツではUFOの公式調査はしていない」と発言していた。しかし、その後UFO研究者が、連邦議会の科学部門がUFO研究をしていたと指摘し、議会に情報開示を請求して最高裁まで争った。その後、UFO情報の開示を命ずる判決が下り、ドイツのUFO研究者たちは大騒ぎした。2015年7月9日付デイリーメール紙ほか、多くの記事が伝えている。
また、ドイツの日刊紙「ビルド」は電子版で、現職の連邦情報局長官のゲハルト・シンドラー氏のインタビュー映像を公開。シンドラー氏が「我々はUFOについては何も知らない。もし、知っていても、ここでは言わない」と答えている動画を見ることができる。「もし、知っていても……言わない」というのがミソである。ドイツにも、まだまだUFO情報がいろいろありそうだ。(純)
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