【都知事選】外国人記者クラブが、報じられない立候補者に会見の場を提供
2016.07.30
日本外国特派員協会は29日、東京都知事選候補者の共同記者会見を開催した。同協会は、「私たち全ての候補者を受け入れるというポリシーがある」として、全候補者を招待。都合のついた候補者が参加した。
日本でも、マスコミの報道が特定3候補に集中している状況が問題視されている。この状況が問題視され、海外からフォローが入った形だ。考えさせられる。
会場には多くの外国人記者も訪れた。候補者は、一人2分間、通訳を入れて4分間という短い時間ではあるが、各々の主張を語った。
英語での通訳を聞き、そしてそれに耳を傾ける海外メディアの姿を見ると、「世界から見て、各候補の政策はどのように映るのか」「"国際都市"東京のトップという観点で見た時に、誰がふさわしいのか」という、新鮮な視点を得ることができる。
本欄では、通訳された英語と共に、各候補の主張の抜粋をご紹介したい。
・マック赤坂氏(67)
「(私の公約は)restriction of Tokyo diet members. I want to cut! Cut! Cut! Diet member could be zero」
(都議会議員のリストラを行います。カット! カット! カット! 議会議員はゼロにできます)
※マック氏は英語で演説した。
・高橋尚吾氏(32)
「Currently in japan, Everyone believe that political struggle is at the center of politics in Japan」
(今、日本では政局争いが、政治の中心だと思われている)
・谷山雄二朗氏(43)
「so called committee system of FCCJ is rigged, fraud, and biased」
(日本外国特派員協会は、不正であり、詐欺師であり、偏っている)
※これは、同氏が日本外国特派員協会での会見を申し込んだが、断られたことを指している。ちなみに同協会の副会長からはその後、「オープンな場を作っていきたいので、このような場を開催した」という補足があった。
・山口敏夫氏(75)
「Mr. Yoshiro Mori, who is the head of The Tokyo Organizing Committee of the Olympic, is now trying to meddle in Japanese political situation」
(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長である森喜朗氏は、日本の政局に介入しようとしている)
・後藤輝樹氏(33)
「If I become a governor of Tokyo, I will cancel the Tokyo Olympic games」
(私が都知事になったら、東京オリンピックを中止します)
・岸本雅吉氏(63)
「Make Tokyo very healthy city」
(東京を健康な都市にします)
・上杉隆氏(48)
「Very few people talk about the budget or fiscal situation beyond 2020 Olympic games」
(2020年の東京オリンピック以降の東京の危機的財政状況について、ほとんど語られていない)
・七海ひろこ氏(32)
「I'm sure that many of foreigners worry about earthquake or tsunami that is happening in japan, and I would like make Tokyo a disaster preventive society or city」
(多くの海外の皆様は、日本の地震・津波についてご心配かと思います。私は、東京を防災都市にいたします)
・中川暢三氏(60)
「I believe that confusion that we see in current days in administration of Tokyo, is because of bringing the political conflicts in the central government into the local administration」
(昨今の都政の混乱は、中央政府の政局が、地方政府に持ち込まれているからです)
・関口安弘氏(64)
「Everything is concentrated on 23 wards or central Tokyo, and I believe it should be changed and we should revive our lives witch we can feel the earth and soil」
(東京23区を始めとする中心部への一極集中を修正し、土のある生活を復活させます)
・立花孝志氏(48)
「My campaign pledge is one. Tear down or crush or break up NHK!」
(私の公約はただ一つ。「NHKをぶっ壊す」です)
・宮崎正弘氏(61)
「When you think about how many who are elected really keep the campaign pledges, you would find out that very few people actually keep their promises」
(選挙公約を実際に守った人がどれだけいるのか、ということを考えると、あまり守られていないんです)
・今尾貞夫氏(76)
「The entire society or entire country should try to raise and nurture children」
(子供というのは、社会全体、国全体で育てていくべきだと思います)
・望月義彦氏(51)
「What I aim at is to create new Tokyo which continues to grow and develop with other regions in japan and other countries as well」
(私は、他の地域や他の国々と共に発展し続けられる東京を目指します)
・内藤久遠氏(59)
「My biggest proposal is to half the Tokyo population」
(私の第一の公約は、東京の人口を半分にいたします)
大手メディアの報道が極端に少ない中、各候補にとっては政見放送に並ぶ、貴重な2分間だっただろう。
日本のメディアの実情は世界から見てどう見えるのか、日本の「顔」である東京はどうあるべきなのか、深く考えさせられる機会となった。
(馬場光太郎)
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