「主要3候補」以外の放送は3%
上の図は、2016年7月18日から22日の間、主要なニュース番組が、東京都知事選における各候補についてどれだけの時間放映したかを表すグラフだ(幸福実現党関係者提供)。
ご覧の通り、放映時間の大半が、鳥越俊太郎氏、増田寛也氏、小池百合子氏の"主要3候補"に充てられている(ちなみに、鳥越氏のスキャンダルに関する放送時間は含まれていない)。
一方、メディアが言う"主要"以外の18候補の放映時間は、民放では合わせて3%程度だった。ほとんどの番組が、"主要3候補"を紹介後、「その他の候補者です」と一覧表10秒ほど流して終わっている。
"主要3候補"も、頭数で均等に割れば3人合わせて14%の枠となるはず。そう考えると、あまりにも不平等な結果だ。
芸能人もツイッターで疑問符
この"主要3候補"問題については、芸能人もツイッターで疑問を呈している。
お笑いタレントの田村淳さんも「なんだろう? 主要3候補って…これから選挙なのにメディアが既に選んでる感じ…」とツイート。
外国人タレントのフィフィさんも、「有権者はマスコミが取り上げるお三方だけでなく全ての候補者の政策を知る権利があるのではないでしょうか?」と主要メディアの報道姿勢に疑問を呈した。
テレビは放送法に違反!?
特に、テレビ局の地上波放送は、総務省の免許が必要で、公共性が高い。
そのため、放送法の第四条では、放送事業者は番組の編集に当たって、「政治的に公平であること(二項)」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること(四項)」を定めている。
主要メディアの報道姿勢は、これらの条項に反しているのではないか。
"主要3候補"以外が共同記者会見
こうした問題意識から、公益社団法人「自由報道協会」は23日、都内で「2016東京都知事選挙共同記者会見」を開催。21人全ての候補に声をかけ、うち8人が参加した。
第一部では後藤輝樹氏(33)、第二部では山中雅明氏(52)が会見をし、第三部ではマック赤坂氏(67)、山口敏夫氏(75)、上杉隆氏(48)、七海ひろこ氏(32)、中川暢三氏(60)、立花孝志氏(48)が、元経済産業省の古賀茂明氏をモデレーターとして討論を行った。
各候補は、保育・福祉、防災、五輪、各政策の財源などについて、充実した議論を行った後、会見の最後で、主要メディアの偏向報道に対してコメントした。
マック氏は「まず都庁記者クラブに抗議に行く」、山口氏は「立候補者の街頭立会演説会を行う」、立花氏は「(都知事選が)終わったあとに裁判をする。取材して出さなかったテレビ・新聞に取材拒否」と述べるなど、具体的な行動を明言した。
また、「自由報道協会」の設立者である上杉氏は、大手ネットメディアの中にも、権力側の圧力に唯々諾々と従う体質が見られ始めたことに危機感を表明。
七海氏は「私が無名の新人なので報道しないというのは百歩譲って耐えるとしても、経験や実績ある候補者を報じないというのは、有権者の皆様に申し訳ない」と訴えた上で、上記グラフを提示し、会場を沸かせた。
中川氏は、「有力3候補以外で、様々な障害を乗り越えて立候補した方々に敬意を表したい」。メディアの偏向報道については、「視聴率を上げるためか、有力政党と結託しているのではないか」と問題提起した。
モデレーターの古賀氏も「自分が疎外されているから文句を言っていると、大手メディアは捉えているかもしれないが、これは日本の報道の本質的な問題」と指摘し、会見をしめくくった。
各候補とも、供託金を国に納め、この猛暑の中戦っている。どの候補者が"主要"なのかは、投票結果が決めることであり、メディアの推測が決めるものではないだろう。
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