大関・琴奨菊が初優勝 昭和の大横綱が語る「横綱の美学」とは
2016.01.25
大相撲初場所が24日千秋楽を迎え、大関・琴奨菊が1敗を守り切り、初優勝した。日本出身力士として10年ぶりの優勝となった。
琴奨菊は、大関昇進後けがにも苦しみ、負け越したら大関ではなくなるピンチも5回経験。地道な稽古を重ねて至った今回の悲願の初優勝に、表彰式のインタビューで「ことばにできないくらいうれしい」と語った(NHKニュース)。
大相撲では近年、モンゴル出身の力士の活躍が目立っている。とくに35回の優勝を誇る横綱・白鵬の強さは圧倒的だ。
ただ、その相撲の取り組み方が物議を醸していた。
「目隠し」と「猫だまし」に非難
初場所9日目、対栃王山戦。白鵬は立ち合いで、栃王山の顔の前で右手を広げ、目を隠す。その後素早く左に体を開き、前のめりになった栃王山を上手出し投げで破った。
奇襲とも取れる取り組みに対し、館内からは「モンゴルへ帰れ!」などのブーイングが鳴り響いた。白鵬は立ち合いについてファンに謝罪しつつも、「頭を使わなきゃ。力比べじゃないんだから」「変化じゃない。(相手の額を)手で支えている」と振り返っている。
これは今場所に限った話ではない。
白鵬は前場所も栃王山に対して、相手の顔の前で両手をたたく「猫だまし」を2度繰り出しており、横綱らしからぬ取り組みであると批判されている。
黙っていられなかった北の湖理事長
この取り組みには相撲界の重鎮からもクレームが付いた。昨年11月に亡くなり、日本相撲協会の理事長を務めた、北の湖親方だ。「横綱としてやるべきことじゃない。前代未聞なんじゃないの」と苦言を呈した。
北の湖親方は、昭和を代表する横綱だった。
幕内最高優勝回数24回、連勝記録32勝。横綱在位63場所は歴代1位だ。相手を土俵に容赦なく叩きつけ、悔しかったら這い上がってこいと言わんばかりの姿には、「憎たらしいほど強い」との声が上がっていたほどだ。
そうした北の湖親方だからこそ、白鵬の猫だましを見て黙っていられなかったのだろう。
「百獣の王の勝ち方をしなければ横綱ではない」
どうやら北の海親方には、言い残したことがあったようだ。
死後3週間が経った昨年12月13日、北の湖親方の霊は大川隆法・幸福の科学総裁のもとを訪れ、霊言の収録が行われた。この「ラスト・メッセージ」は、このほど発刊された『元相撲協会理事長 横綱北の湖の霊言 ひたすら勝負に勝つ法』(幸福の科学出版)に所収されている。
その中で、北の湖親方の霊は、自身の横綱観について次のように語っている。
「『百獣の王の勝ち方』をしなければ横綱じゃないんだよ」「自分の型に相手を吸い込んで倒さねばならない」「やっぱり、『国民の手本』にならないかんと思うんだ。戦後、這い上がってきた日本人にとってのね、励みでなきゃいかんと思っていたんでね」
この言葉からは横綱としての誇りが感じられる。
霊言では、横綱の美学の他、相撲ファンへのメッセージ、スランプへの立ち向かい方、忍耐心・精神力の鍛え方、今の安倍晋三政権への評価など、様々に語られている。「人生の教科書」とも言える一冊だ。
白鵬自身は技の一つとして奇手を使ったのかもしれないが、猫だまし風の勝ち方ではなく、圧倒的な強さで相手を倒してこそ横綱の本道だろう。
日本の精神を体現したような、神事としての相撲を見せて、観る人を感動させてほしい。
(冨野勝寛)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『サッカー日本代表エース 本田圭佑 守護霊インタビュー』 大川隆法著
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幸福の科学出版 『天才打者イチロー4000本ヒットの秘密』 大川隆法著
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