男のセックスレス解消大作戦

2007.07.14

2007年9月号記事

若さとパワー復活!

家庭も平和になる!?

「最近、はげんでますか!?」この言葉で引いた人はご用心。

自然が人間に与えた愛と性の営みは男と女の幸せにとって、やはり大きなこと。

にもかかわらず、日本ではセックスレス夫婦が増えているんだそうな。

これはもう家庭の危機、人類の危機だ。

そこでセックスレス解消のために、全国の疲れたオトーサンたちに成り代わり、リバティ実験隊が真面目に立ち上がった!


知らなかった。

セックスレス状態のカップルがこんなに多いとは──。

記者が何人かに聞いてみると、まだ30代の男たちでさえ、

「結婚2年目で、家内が子どもを産んでから今日まで9カ月ゼロ。誘っても嫌がられる。傷つきますよ!」(36歳・自営業)。

「2人目が生まれてから1回も。先月妻が誘うから数年ぶりに応じたけど」(38歳・会社員)。

日本性科学会は1994年、セックスレスをこう定義した。

「特別な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアルコンタクトが1カ月以上なく、その後も長期にわたることが予想された場合をセックスレス・カップルという」

お宅は、いかがだろうか。記者自身(40代)はレスではないが、妻と1カ月以上ないことは(小声で)フツーです。記者や身近な夫婦がたまたまそうなのかと思えば、さにあらず──。

日本の男は世界最低?

「夫婦仲と性の相談所」(二松まゆみ所長)が主婦を対象に行なった調査では約1600人中、月に「1回以下」と「ゼロ」の合計が4割を超えた(注1)。先の定義だと2組に1組近くがセックスレス・カップルである。

また、先ごろアメリカの大手調査会社が26カ国の約2万6千人を対象に調査した、性交渉の年間平均回数は下図の通り。最多はギリシャの164回で週3回以上の割合である。以下ブラジル、ポーランドとロシア、インドとよくわからない順位が並び、ダントツの最下位が日本なのだ。その数48回=週1回弱。

だが、この世界最低の回数さえ、その実態は不透明だ。セックスに関する相談を数多く受けてきたある著者は、週1回との数字についてこう書いている。

「相当見栄を張った回答(中略)。僕の感覚では『年10回』が日本人夫婦の平均」(注2)。

「回数が多けりゃいいってもんじゃない。人それぞれだろう」

「自然になくなっただけで夫婦仲は問題ない。大きなお世話」

そんな声も聞こえてきそうだが、本当に問題ないのか?

セックスレスで早死に?

「月に1回もセックスなどで性的に興奮しない人は、週2回以上興奮する人に比べて2倍近く死亡率が高いようです」

とショッキングなことをおっしゃるのは、ED(勃起障害)の研究に詳しい内科医で大阪大学大学院准教授(保健学)の石藏文信医師。イギリスで40代後半~50代の男性を10年間経過観察した実証的データだ(上図)。

もちろん、もともとギンギンに元気な人が長生きしたのかもしれず、セックスすれば寿命が延びるとは言い切れない。だが男なら、自分の性的パワーと生命力が直結していることは実感できるはず。国内のED人口は推定1800万人に上るうえ、先の調査では、自分の性生活に「満足している」割合も日本人が最下位。質・量ともに日本人のセックス事情は貧しいようだ(113ページコラム参照)。

そして、「セックスレスに不満はない」とパートナーが言っても本音とは限らない。ある40代女性(バツイチ独身)は言う。

「友だちの夫婦にも、ダンナが求めて来ないのでレスの人は多い。そういう妻はどう思っているかというと、すごーくすごーく寂しいんです。自分から求めて拒否されればひどい屈辱感。だから、夫の前では平気な素振りをせざるを得なくなっていくけれど、女性だって性欲はあるし、何より身も心も包まれたい気持ちもあります」

男たちよ。疲れているのはわかるが、我が身のためにもパートナーのためにも、この先ずっとセックスレスでいいのか!?


読者参加による大実験レポート

強精サプリで男を

「復活」「成功」できるか?

このままではイカン。夫婦の幸福増進のためにも日本を少子化から救うためにも、男たちに「復活」を呼びかけなければ──。そんな編集部の使命感に賛同してくれた読者有志に、次のようなマジな実験に参加してもらった。

目的: セックスレス(に近い状態)を解消し、男のパワーや夫婦の絆を強める。肉体面だけでなく心の動きもレポートする。

方法: ある強精サプリメントを2週間摂取し、精力の変化を自己観察しつつ奥さんと愛し合ってもらう。実験のことは奥さんに秘密。

被験者: 各世代を代表して拓哉さん(38歳)、悦司さん(46歳)、正和さん(55歳)の3人。全員、首都圏在住の既婚サラリーマン(仮名)。

被験者№001 拓哉さん38歳

妻に新鮮味を感じないレス男が

7年ぶりの大復活!

2人目の子供が産まれてから最近まで7年もの間、一度も妻とセックスがなかった拓哉さん。夫婦とも健康なのに、いったいなぜ?

「彼女に新鮮味がなくなって、全然そんな気が起きないんです」

結婚10年。今では化粧もお洒落もせず新婚当時より太った妻に、まったく性欲を覚えない。夜寝ていて妻が擦り寄ってきたこともあったが、応じる気になれなかった。

「少女のようだった女性を今みたいな妻にしたのは自分の責任もあるなと、反省することもあります。でも性欲は……」

真面目なので浮気や性風俗店には縁がない。欲望はネットのエッチサイトを見て一人で処理する。

夜は7時半に帰宅。妻が忙しいのはわかるが、家の中が片づいてないとつい注意し、口ゲンカが始まってしまう。夫婦が一緒にいてもテレビを観ていてコミュニケーションが不足がちで、おまけに現在、拓哉さんは資格取得の勉強に夜の時間をあてており、なおさら一緒に過ごす時間がない。

そんな1カ月前、妻がポロッと言った。

「○○さんちは週3回だって」

さすがに夫婦としてマズイかなと思い、妻が求めてきたので(しょうがないな)と7年ぶりに合体。翌朝、妻はいつもより快活だった。「セックスは夫婦にとって、思った以上に大事だという気がちょうどしてたところだから」と、拓哉さんは実験を引き受けてくれた。

今回3人に飲んでもらうのは、熱帯や高地産の強精植物(注)やマムシ粉末などを配合したサプリメントだ。通販で1瓶(2週間~1カ月分)1万円以上するもの。効果を期待してスタート!

肌が合えば気持ちが通じる

2週間後の朝、出勤前の拓哉さんと都心のスタバで会った。窓ガラスに面したカウンター席につくと彼は照れながら言った。

「2回やれましたよ」

飲み始めて4日目と、もう1回は昨晩だという。やはり効果が?

「飲んだせいかわからないけど、いつもより元気で前向きでグッと充実している感じはありました。だから『自分から頑張ってみようかな』と思えた。僕のほうから行ったんで、求めてくれたと思って彼女も喜んでるみたいでした」

行為の最中も、かつてより持続力がアップ。その分、自分も満足感があり、妻も久々に満足しているようなのを見て改めて、「今まで自分は放っといたんだな。寂しかっただろうな」と思ったそうだ。

「ふだんは口ゲンカするけど、そのときって仲良くなれる。『ああ、ずっと仲のいい夫婦でいたいな』という気になる。肌を合わせるのは男と女の気持ちが通じ合っていくための一つの行為なんだというのが、わかりました」

セックスに変な「いやらしさ」を感じなくなり、セックスも含めてもっと自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを確かめていきたいと思うようになったという。

「そういう意味では、やっぱりいいことですよね」

そう言って仕事に向かう拓哉さんの顔はスッキリと明るかった。

●実験結果:↑↑ 大成功

●考察:肌を合わせることで夫婦の気持ちが通じ合うことも。


被験者№002 正和さん55歳

セックスレスは

犬も食わない(笑)

「サプリメントなんか飲もうが飲むまいが、そっち方面の意識は異常に高い。先天性かな(笑)」と言う正和さんは、大企業の部長職を務めるビジネスマン。若い頃から体育会系のツワモノである。

だが昨秋、体を壊して下半身の一部を手術した。退院して久々に奥さんと愛し合おうとすると「あれ?」その気はあるのに肝心のムスコが元気にならず、不完全燃焼。以前は1~2週間に一度は愛を確かめ合っていたのに、手術が生殖器まわりに影響しているのかもしれない。残念に思っていたので、「俺、ピッタリかもしれないよ」と喜んで実験台になってくれた。

しかし結論から言うと、2週間では下半身に変化はなく、目標未達という残念な結果に終わった。

「確かに体は元気で疲れにくくなりました。でもあっちのほうは、ムズムズくらいはあったけどムクムクまではいかなかった。もうちょっと飲み続けたら違ったかも」

予想外のファクターも生じた。この2週間、会社の重要なクレーム対応やチームリーダーとしての責務が正和さんの双肩に集中。サプリメントのおかげもあってかパワフルに乗り切れたが、夜も仕事のことが頭をよぎり、そんな気分になりにくかったという。

もう一つ。子供たちは独立し、夫婦仲良く二人暮しなのだが、

「ウチ、犬がいるんですよ」

18歳になる老犬が、先日いよいよ足腰が立たなくなり、奥さんが夜も世話をしているという。

「2階の寝室で犬をはさんで川の字で寝てた。これじゃあ、ちょっとできないよね(笑)」

しかも、その犬が夜中に吠えてうるさい。夫が眠れるよう、奥さんは1階で犬と一緒に寝るようになり、正和さんはますますムードもきっかけも喪失。夫婦のセックスはいろいろな要因に左右されるデリケートなものなのだ。

「ちょうどそういう時期なんでしょうね。犬が天国に還って夫婦二人になったら、きっとまたできるだろうし。もしムスコが駄目なら駄目で、スキンシップを図りながら夫婦仲良くやっていきます」

ここしばらく愛犬に妻を奪われ続けるであろう正和さんは、別れ際にこう言った。

「今回は役立たずですいません」

●実験結果:↓時間切れで不成功

●考察:仕事やその他でタイミング的に仕方ない時期もある。

被験者№003 悦司さん46歳

満たされない気持ちを

メールで伝えた

「去年の夏、家内に触れる気になれない時期がしばらくありました。ささいなことから口ゲンカになって、ギクシャクしちゃって」

悦司さんは結婚20年。その波風はいつものように時間が解決し、再び妻に求めたが、今度は妻(同い年)が体調や疲れを理由に応じてくれないことが続いたという。

「実際に調子が悪いらしいので仕方ないんですけど、何度も断られると、また断られるのがこわくて、だんだん言い出せなくなる」

繊細というか、ひ弱というか。ことセックスに関しては、男はかくも傷つきやすい。かといって肉体的欲求はあるので拓哉さん同様、いい年して独りエッチの日々。それでも数週間前、ほぼ1年ぶりに交渉を持てたのだが……。

「その最中に固さが弱まってしまったんです。そんなのは初めて。なんとか頑張って最後までいけたけど快感もあまりなくて、ちょっとショックでした」

医学用語に「廃用性の衰退」というのがある。寝たきりが続くと足の筋肉が弱って歩けなくなるように、体のあらゆる部分は使わなければ衰える。前出の石藏准教授によれば、男性機能も使わないと「ペニスの海綿体をゴム風船のように覆っている白膜が固くなって伸縮しにくくなるし、勃起や射精に必要な筋肉も弱くなる」という。

このままでは下手をするとEDだ──。不安があった悦司さんは、渡りに船と実験に応じてくれた。

寂しい気持ちを正直に

サプリメントを飲み始めると悦司さんも、忙しい日でも疲れにくくなった。試しに会社で昼間エッチなサイトを見ると、気分も肉体もいつも以上にムラムラ。

「サプリメント自体の効果もあったのかもしれないけど、高いやつを飲んでるんだという気分的な違いも馬鹿にならないみたい」

最初の週末は、妻は生理に加え腰痛があって全然無理。あまりにつらそうなので、人から聞いて初めての整体院に連れて行くと、妻の腰痛はかなり和らいだという。

そこで木曜の夜も誘ったが、またも撃沈。落胆と欲求不満で眠れない悦司さんはどうにも気持ちのやり場がなく、深夜、妻の携帯にこんなメールを打ったそうだ。

翌日の金曜。メールに返信はなかったが、夜遅く帰宅すると妻はいつになく優しかった。そして土曜の夜、夫婦は濃厚な愛を交わした。悦司さんは固さや持続力もOKで、久々に心身が満たされ、精神的な安らぎを味わったという。

「精力剤なんてギラギラしてうっとうしいイメージがあったけど、勢いづけに使う分には悪くないですね。それと、あんなメールは男のプライドにかかわる気もしましたが、自分の気持ちを素直に伝えたことが結果的によかったのかなという気がしています」

●実験結果:↑成功

●考察:サプリメントの勢いと気持ちを伝えた両輪でハッピーに。


実験を終えて──

あなたもきっと復活できる!

今回は限られた実験だったが、結果は2勝1敗。サプリメントの効果は個人差があるものの、うまくいった2人はとりあえずセックスレス状態を解消でき、パートナーとの絆が強まったようである。

動物の多くは一定の発情期にしか交わらない。なぜ人間だけが、一年中いつでも、そして何十年にもわたって性の営みが可能なのか──。

それはもしかしたら、殺伐としがちで人の心と心も擦れ違いやすいこの世の中で、「男女がいつでも愛を取り戻し、愛を確かめ合えるように」という造物主の慈悲なのかもしれない。たとえ贅沢な思いをするだけの金がなくても、言葉が下手でも、からだひとつで愛を込めて抱き合えば男と女はひとつになれるのだから。

夫婦のセックスは、他人との比較や年齢を気にする必要はない。色褪せそうな二人の愛が復活するなら、サプリメントなどを用いるのもアリかもしれない。ということで読者の「成功」をお祈りする。


インタビュー セックス生涯現役塾主宰  太刀川倫夫

セックスを抜きにして

人間の幸福は語れない。

この方法で男を鍛えろ!

(たちかわ・みちお) 1937年大阪生まれ。フリーライターなどを経て、68年テレビ番組『11PM』で「セックス強化体操」を日本で初めて紹介。健康・長寿・強精法の研究家の道を歩み、97年「セックス生涯現役塾」を創設。精力減退に悩む中高年男性の相談に乗っている。著書に『男の性を鍛える本』『おとなの性を楽しむ本』(いずれも実業之日本社)などがある。

――EDや夫婦のセックスレスは、何が原因なのでしょうか。

器質的な原因や病的なケースは別にして、僕に言わせたら、やっぱり男が弱くてヘタクソで身勝手なんだ。大きな理由は、性についての学習ができてないことですね。

人間の二大欲求は食欲と性欲だけど、食欲のほうはグルメブームで「あれが旨い」とか「きのうはあそこの店に行ったわよ」とか老若男女を問わずしゃべってる。ところが性欲に関しては最近、男同士でもフランクにしゃべらなくなってるんです。せっかく神様が人類を滅ぼさないように、舌には味覚神経をつくり、下半身の粘膜には快美神経をめぐらせてくれてるのに、そのことに関しては恥ずかしいから誰もしゃべらない。あなたもそういう話しないでしょ?

――……まったくしないですね。

昔は飲み屋なんか行ったら、男はエッチな話しかしなかったんだから。おっさんたちが猥談してるのを聞いて、若い人が「そうか、そういうものか」と学習してたわけよ。今は飲んだって仕事の話かテレビの話か、野球やサッカーや携帯電話、たまに政治の話。「もうちょっとお前ら下半身の話をしろ!」と言うんだけどね(注・太刀川氏は自ら経営する居酒屋のオヤジでもある)。

インターネットの中には直接的な映像はあっても、性の学習材料はない。アダルトビデオも、経験のない人が見て「セックスってああやるのか」と思ったら大間違いで、あれはプロの世界。プロが見せ物や演技でやってるんだから。松坂の球をわれわれが打てるわけないだろ?(笑)

昔は社会全体に、男を性的に教育するシステムがあった。古くは夜這いがあったり、良し悪しは別にして先輩に遊郭に連れて行かれて、経験豊富な女性から優しく手ほどきされて自信やテクニックを身につけていったりして教育をされたわけです。

今は性が隠花植物みたいに扱われて、あまりに、いびつになってる。学習のためにも、もっと性の社会的地位を高めて、皆が普通に大らかにセックスを語り合うべきだと私は思ってます。

女の人は男をいじめないで

――奥さんからセックスを断られて傷ついた結果、EDやセックスレスになる男性も多いと思うんですが。

いや、だからそれも、学習がないからヘタクソで奥さんを満足させられてないんだよ。セックスって男も好きだけど女はもっと好きで、開発されると快感は男の比じゃないらしい。だから、「この人なら私は満足させてもらえる」と思えば、女性は拒否しないんです。

――あっ、そうか!

な?(笑)昔は男尊女卑の思想があったから、「女は性的にも男に奉仕するもんだ。男がしたいと言ったら我慢して、させてあげるもんだ」という風潮があったんだよ。

今は女の人も主張するし、女性週刊誌とかレディースコミックとかを読んで「本当はもっといいはずだ」と疑問に思っても、男が下手だから何回やってもよくならないわけよ!(と机を叩く)。「何よ、自分だけ勝手に終わっちゃって。私は少しもよくない。バカバカしくてやってらんないわ」と思って、これがセックスレスになる。

――うーん……。

そうすると、男は元来ひ弱だから、「イヤ!」と何回も断られているうちにだんだんポシャッて、再挑戦しようという気が失せてくる。だから一つには、やっぱり男がセックスとは何かということを再認識して学習しなきゃいけない。

それから、経験の浅い男が女の子からセックスの最中に「ああして、こうして」って注文されると「俺は前の男と比較されてる」と思ってダメになる。ましてや「もう終わっちゃったの?」とか「いい体してるのに、思ったほどでもないのね」とか言われたら永遠に起たなくなっちゃう。女の子には、「男はひ弱なんだからいじめないで」と言いたいよね。


愛情と遊び心を取り戻せ

――現代では仕事などのストレスでEDになる人もいるようです。

ストレスっていうのは欲張るから溜まるんだよ。そんなに仕事してないくせに「給料が上がらん」と思ったり、若いのに早々と家を買ってローンを抱え込んだり。そういうことをするからストレスが溜まるわけよ。ほどほどの欲望で抑えてればストレスなんか溜まらない。そういう問題こそ、幸福の科学に世の中を改善してもらわなきゃいかん。

――えー、EDではないけどもっと精力を強くしたい人はどうすれば?

男の精力の原点は睾丸だから、活性化させるために普段から自分で睾丸をマッサージしてやること。あなたもくだらん編集会議があったときは、知らんぷりしてデスクの下に手をやってマッサージしてるほうがいいよ(笑)。ほかにも冷やしたりいろんな方法があるけど、お宅の雑誌では載せられないだろうから、知りたい人は私の本でも読んでください。

あとね、早漏の悩みも多いけど、これは治るんですよ。早漏を治す一番は何かと言ったら、愛情よ。

――!?!愛情ですか!?

愛情! 「何分間もたなかったら早漏ですか」とよく聞かれるけど違うって。女性が満足する前に終わっちゃう男は、みんな早漏。パートナーを務めてくれる相手の女性を性的に満足させてあげたいという愛情があればこそ、早過ぎるのを治そうということになる。その方法も本に書いてます。そういう愛情のない身勝手な男は、大体ずっと早漏だね。

――じゃあ、結婚生活が長くてマンネリの夫婦が刺激を取り戻すには?

たまにはラブホテルに行ってみるとかの方法論もあるけど、一番いいのは嫁さん同士が仲のいい夫婦が二組でも何組でも集まって、酒でも飲んでリラックスしながら、こういう話を大らかにすること。「あんたのところはどう? うちはこうなの」とかね。そんなのが脳を活性化するわけだ。そこでエッチなビデオを見ても面白いし、一緒に旅に出てもいい。そういう遊び心も必要なんです。

――セックスの問題って、宗教をやってる人などは軽視しがちだけど、やっぱり夫婦にとって大事ですね。

宗教の原点は、自分も幸せになり、他人様も幸せになってもらいたいということでしょう。性は生きていくなかの大切な要因の一つで、それを抜きにして人間の幸せは語れない。特に女の人を幸せにしてあげるためにはさ。あなたも、もっと学習して頑張ってな!


いいセックスは元気のもと。

EDの相談をしやすい医療制度を。

大阪大学大学院医学系研究科准教授(保健学)内科医。

一般医・精神科医ネットワーク研究会代表世話人 石藏文信

EDの研究・治療に詳しく、『パンツの中の健康』の著書がある石藏准教授に聞いた。

生活を整えるモチベーション

107ページでも紹介したように、セックスが多い人のほうが長生きしているという学術データがあります。やはり脳の刺激になりますから。ただ、異性との交流は身だしなみに始まって、会話、デート、そしてキスやセックスと段階を踏んでいきますよね。そういう面で、セックスに向かうプロセス全体が生活全般を整えるモチベーションになり、元気のもとなんです。年をとってもセックスしたいという人は、実年齢より驚くほど若く見えることが多いですね。 メンタルが原因の新婚EDも

ED(勃起障害)の患者はあまりに増えすぎ。原因はメンタルが多い。30歳前後の新婚EDに多いパターンは、海外旅行やセックスの経験が豊富な女性と、仕事一筋で経験の少ない男性がお見合いで結婚して海外に新婚旅行に行き、男は慣れない旅で疲れ果てて夜になっても勃起しない。一度そうなるとトラウマになってだんだん悪化し、たがいにガッカリして離婚。言葉は悪いけどオタク的な男性にも多いパターンです。

子作りプレッシャーで晩婚ED

近年は男が40過ぎ、女が30後半で初婚というのも多い。そうすると年齢的に「まず子作り」となる。これは男にはプレッシャーですよ。カレンダーの排卵日に赤いハートマークがしてあったり、その日の夕食にウナギが出たりすると、男はただでさえ仕事で疲れてるのに、自分が子作りマシーンになったみたいで(笑)気が重い。そんな晩婚EDも増えています。このように、一口にEDと言ってもバリエーションがあるんです。

うつや自殺につながることも

私のところに来るEDの患者さんにはバイアグラも出しています。それが景気づけになって元に戻ることもありますから。ところが町の医者の多くは、EDの相談をしにくいのが実情。バイアグラをもらいたくても医師に偏見があって出してくれないこともあります。

私はうつによる自殺防止の観点から、一般医と精神科医の連携を高める活動もしています。40代50代のうつからくるEDも多いし、30代の新婚EDが原因で、うつになって自殺するケースもままあるから深刻です。EDもうつと同じで医師に相談したがらない人が多いので、もっと言いやすい、相談しやすい医療制度が必要でしょう。(談)


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