アメリカ空軍が調査したUFO調査ファイル13万ページの文書が個人のネット上に公開され、CNN、ABCやUSA Today、日本のNHK他多くのメディアが紹介し、世界中で話題となっている。

情報を公開したのは、この世界で著名なジョン・グリーンウォルド氏のサイトThe Black Vault。公開されたUFO 情報は、オハイオ州にあるアメリカ空軍ライト・パターソン基地で1947年から1969年に行われたUFO調査"プロジェクト・ブルーブック"の記録だ。このプロジェクトの前身となるプロジェクト・サイン、プロジェクト・グラッジの情報と共に彼のデータベースで閲覧できる。

グリーンウォルド氏は、15年前から情報公開法を通してプロジェクト・ブルーブック関連の情報の開示請求を始め、1万あまりのPDF形式で無料で検索できる初のデータベースにまとめた。

プロジェクト・ブルーブックは、1947年の"ロズウェルUFO墜落"事件後に設置され、1万2千件あまりのUFO目撃事件を調査したが、結局「UFOが宇宙人の乗物という証拠はない」という結論に達し、国防上の脅威ではないとして、閉鎖された。ただし、そのうちの701のケースはいまだに説明ができないままである。

もともと、ソヴィエトからの脅威ではないかとUFOを調査していたアメリカ空軍だが、大半は説明がつくものの、どうしても説明不可能なものが必ず一定割合残っている。また、一般のUFO目撃、遭遇事件が相次ぎ、UFOは地球外知的生命体のものだと信じる人が年々増えており、政府はUFOに関する情報を隠蔽しているのだとするUFO研究者は多い。

イギリスも、UFOに脅威はないとして調査室を閉鎖したが、元国防省UFO調査官のニック・ポープ氏も政府の対応を批判している。日本では元自衛官の佐藤守氏の最新刊『実録・自衛隊パイロットたちが目撃したUFO』に、むしろ「プロジェクト・ブルーブックはUFO現象の隠蔽工作を任務」としていたのではないか、と書かれている。

昨年末、CIAがツイッター上で「1950年代のUFOの大半はU2偵察機だった」とつぶやいたことで、「ということは、それ以外は何なのだ?」とこれまた世界で話題になった。このようにUFOに関しては政府と一般の攻防戦がずっと続く中にわずかに真実が見え隠れしているようである。

元自衛官の佐藤守氏も書籍で述べているとおり、「UFO問題は日本の安全保障にもつながる重大問題」である。各国がUFOを調査している。日本はいつまで見て見ぬふりを続けるのだろうか。(純)

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