公開霊言抜粋レポート
ユング本人が語るユング心理学の意義と限界
公開霊言「『ユング心理学』を宗教分析する」
2013年10月13日収録
※本霊言は、幸福の科学の全国の支部と精舎で拝聴できます。
「集合的無意識」「元型」「アニムス・アニマ」「共時性」――。多くの理論を提唱し、心理学の新たな一分野を切り拓いた巨人、カール・グスタフ・ユング(1875-1961)。現代の実験心理学や行動心理学など、心の計測できる側面だけを扱うタイプの心理学が主流となる一方、いわゆる科学的な手法だけでは扱えない、心の神秘的な側面を重視するユング心理学(分析心理学)は、唯物論の風潮に対する一つの歯止めになっている。
その一方、霊や霊界の存在を素朴に信じる宗教の立場から見ると、霊的な現象をあくまで学問的にとらえようとするユング心理学は、物事をいたずらに複雑化し、理解を難しくしているようにも感じられる。
いったい、ユング心理学は何を目指していたのか、その意義とは何だったのか、また、そもそも心理学の使命とは何なのか。こうした点を明らかにするべく、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は、ユングの霊を招霊し、その考えを訊いた。ユングの霊は、心理学のあり方からユング本人の魂の本質に至るまで、縦横に分析してみせた。
神秘的なユング心理学の世界
ユングは、師であるフロイトの深層心理についてのアイデアを引き継ぎながらも、それを克服していくかたちで自身の理論を創り上げた思想家である。ユングは、普段は隠されている人間の「無意識」の存在を重視し、そこに潜んでいる精神疾患の原因を取り除くことで治療できるというフロイトの考え方にヒントを得た。しかしながら、精神的な病の原因のほとんどを性的な抑圧だとする「性理論」には納得できなかった。ユングとしては、性的な抑圧が原因となっているのは、精神的な病のごく一部にすぎないと考えたのだ。
フロイトとユングのもう一つの決定的な違いは、フロイトが宗教的なものや霊的なものを否定したのに対し、ユングはそうではなかった点だ。実は、ユングの親族には霊体質の人が多く、ユング自身もそうだった。幼い頃から不思議な体験を積んでいたユングは、それを自身の理論に組み込んでいったのだ。
ユングは人間の意識に「個人的無意識」があり、さらにその下層に「集合的無意識」(普遍的無意識)があると説いた。個人的無意識には、個人的に持っているコンプレックスや抑圧された体験などがあり、その人の行動に知らないうちに影響を及ぼす。個人的無意識についてはフロイトの考えと似ているが、そこから先が大いに違う。さらに深い集合的無意識の層には、人類に共有されている普遍的なパターンがあって、個人や集団に影響を及ぼしているという。ユングはそれを「元型」と呼んだ。
例えば、男性の心の奥にある女性的な行動パターンは「アニマ」と呼ばれ、それが意識化されると、女性のイメージ(心像)として夢の中などに現われる。世界の神話や神秘主義思想の中では、こうした元型のイメージが表現されているという。
ユングは意識を中心とする「自我」だけではなく、無意識をも含んだ心の全体像として「自己」(セルフ)という考え方を提唱した。これも元型の一つであり、「老賢者」や「至高の女神」などのイメージとして現われる。意識と無意識とが交流し、無意識の層に心の問題が潜んでいるなら、それを自覚しながら克服してゆくことで「自己」は豊かになっていく。こうした過程をユングは「自己実現」「個性化」などと呼んで重視した。「自己」は集合的無意識ともつながっており、ユングが語る「大いなる自己」とは、精神も物質も含んだ宇宙全体のことを指しているようだ。
霊言において、生前のユング心理学について質問されたユングの霊は、本当の世界は目に見えている世界だけではないという深い確信があったと述べ、さらに 「私の眼には、宇宙の表側に出ている三次元の世界と、その裏側にある意識の世界、無意識の世界を、大きな網の目のようなものが結んでいるように見えた。偶然なるものはなくて、現在のインターネットや携帯電話のようなもので、実は、全部がつながっているんじゃないかという感じがした」 と語った。
また、ユング霊は、この世界を神や仏の創った曼荼羅世界のように感じたとも語った。ユング心理学は、物質界も精神界も含め、あらゆる存在者が意味を持ってつながっている神秘的な世界を表現した理論であったと言えそうだ。時代が唯物論全盛へと傾いていく中で、神秘の世界を学問的に解明しようとしたユング心理学の功績は大きいと言える。
宗教との難しい関係
一方、ユングは神秘の世界を認めつつも、それを深層心理の仕組みとして語り、霊や霊界の存在については明確にしなかった。これについて、大川総裁は霊言に先立ち、「(ユング自身が) 霊能者であったにもかかわらず、科学的に自分を分析しようと考えていたところに、一種の悲劇性はあったのかなという感じはします」 と述べている。
宗教とユング心理学との関係を質問者が訊いてゆく中で、ユング霊から 「だから、心理学はねえ、ある意味で宗教と戦ったところもあるんですよ」 という言葉が語られた。ユング霊は、伝統的に、宗教に基づいて性の抑圧などが行われた結果、自分や他人を破壊したり、社会を破壊したりするような異常性を示す人々が出てきたと指摘。 「この宗教による禁圧みたいなものを解かなきゃいけないニーズは出てきた時期ではあるんですよね。それに、心理学が有効にミートした部分はあるのかなと思うんですよ」 と述べ、心理学には、ある意味において、「宗教的抑圧に対する解放」という意味があったと主張した。
また、現代の心理学には、唯物論の風潮が強くなった時代において、宗教をストレートに信じられない人々の心を救うための代替手段としての側面があるため、心理学が用なしとなって滅びるとは思わないとも語った。
しかし、霊言中、ユング霊は心理学を一応は擁護しつつも、 「心理学なるものが、本当は一体何だったのかなという気はしないでもないですね」 とも語り、心理学の持つ積極的意義について自信のなさも告白している。ユング霊は、自身の心理学について、科学万能の時代に突き進んでいく中で、心や霊界など、取り残されていく領域について何とか科学的な位置づけをしようと努力したものであるとした上で、それによってむしろ混沌が増したのではないかと自省の弁を述べた。
実際、ユング心理学でいうところの「元型」の様々な作用は、一昔前ならば、自らの守護霊、指導霊、憑依霊、天使、神といった霊的存在による影響として簡単に説明できたものが多い。また、いわゆる「偶然の一致」が実は偶然ではないことを説明するために、ユングは「共時性」という思想を用いているが、これも霊界からの働きかけだとすれば納得のいく現象だろう。
ユング心理学は、宗教の抑圧を修正しつつ唯物論に対抗するものとして、時代的要請があって登場したと言えそうだ。しかし、そのマイナス面としては、神や霊界の存在といった事実を難しい学術用語で置き換えたために、物事が複雑になってしまい、救済力としてはいま一つであるということだろう。また、深層心理学的な説明で満足してしまい、本来なら宗教を訪ねるべき人を宗教から遠ざけてしまった面もあるかもしれない。 「最終的には、信仰とか、神の救い、天使の救いに頼らないと、治らないもの、救われないものはあると思う」 というユング霊の言葉からは、内心の忸怩たる思いが伝わってくる。
ユング思想を宗教的に読み解く
しかし、ユング心理学による神秘の探究、深層心理の分析が貴重な財産であることに変わりはない。唯物論的な主流派の心理学からはオカルトとして敬遠されることもあるが、ユング思想を発展させようとする心理学の学派もあるほか、神話学、宗教学、民俗学、オカルト研究など、現代の文化に幅広い影響を与えている。こうして、ユング心理学は、「物質しか存在しない」という科学的唯物主義に対する強力なカウンターであり続けていると言える。
幸福の科学は、人間の心や魂の構造、霊界の構造などを明快に説いているが、実は、幸福の科学の教えに照らして比較していくと、ユング心理学の内容がより明瞭になる点も多い。その意味で、ユング心理学の豊かな内容を、分かりやすいかたちで現代的に再解釈していくこともできるだろう。
例えば、幸福の科学では、人間の魂は六人一組で成り立っており、「魂のきょうだい」というグループを組み、順番に地上世界に転生していくと説かれている。その際、地上にいる本人は男性でも、魂のグループの中には女性の魂もおり、本人に影響を与えることもある。これがユング心理学でいうところの「アニマ」であり、反対に、本人が女性で魂のきょうだいに男性がいる場合は「アニムス」である。ユングの霊も「(アニムス・アニマ理論などで) あなたがたが言う魂のきょうだいの男女がいるっていうのは、ある意味では分かっていた 」と、幸福の科学の教えと自らの理論との関連について明言した。
他にも、元型の一つであり本人の心に暗い影響を及ぼすという「シャドウ」は、悪霊による憑依、あるいは暴走した守護霊の作用として説明できるし、「大いなるセルフ」からの働きかけは、神や天使からの指導として考えることができる。このように、霊能者であるユングの体験や思想を、宗教的な立場から素直に読み解いてゆくならば、ユング心理学は貴重な臨床例の宝庫となり、人間の心の神秘性を解明する一助となるに違いない。
ユングの魂の正体とは
霊言の後半、ユング自身の魂の秘密に迫るべく、質問者はユングの過去世について訊ねた。すると驚くべきことに、彼の口からは日本仏教の歴史をつくった超大物の名前が飛び出した。その名前は、ぜひ霊言を直接聞いて確かめてほしい。
さらにその前は、名前こそ特定しなかったものの、インドで唯識思想を説いた人物として転生したことを明かした。心についての精緻な理論を展開した唯識派は、確かにユングの仕事と通じるものがある。いずれにせよ、ユングが曼荼羅や東洋思想に強く惹かれたのは、かつて自らが東洋で活躍していたからのようだ。
ユングの魂は「太陽信仰、あるいは、大日信仰をどういったかたちで地上に降ろすか」ということに関わりを持っているという。また、ユングの霊は西洋での転生についても少しだけ言及したが、この魂は人類全体の歴史に責任を持つ大きな存在であるようだ。
ユングの遺した業績を、幸福の科学的観点から照射することによって、新たな深層心理学的な知見を得られる可能性は高い。今回の霊言で、幸福の科学とユング心理学が遭遇したことで、心理学の再生、新たな心理学の創造が始まるかもしれない。
これ以外にも、ユングの霊は以下のような論点について語っている。そのいずれも、宗教的、あるいは心理学的に貴重な示唆に満ちている。
- 師フロイトに対するユングの評価。
- 心理学的な治療と宗教的な癒しとの関係。
- 心理学者たちの死後の行き先について。
- 同性愛をどう考えるべきか。
- マズローらの成功の心理学に対する感想。
- キリスト教とイスラム教の争いについて。
- ユングによる大川隆法総裁への「指導」の内容とは。
- ユングの西洋での転生とは。
詳しくは⇒⇒⇒大川隆法のスーパー霊能力 「霊言」とは何か
ここに紹介したのは霊言のごく一部です。詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
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