福音派といえば、大統領選でも保守派の票田として話題になることの多い、聖書を厳格に信じるアメリカのプロテスタントの一派だ。彼らが教会に行くのは「信じているから」より、もっと実際的(practical)な理由のためだとする論説が、5月31日付英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに出ている。アメリカ宗教事情への関心から、要旨を紹介。

著者はスタンフォード大の人類学者Luhrmann氏。

  • 私が属するエキュメニカル派(プロテスタントの一派)の教会で、日曜のランチの時間に「人はなぜ神を信じるのか」「人生に影響を与える目に見えない存在がいることの証拠は何か」などが話題になった。
  • こういう問いは、大卒のリベラルな人たちが信仰に対して抱くものだ。抽象的で知的で哲学的な深い問いだが、福音派の教会なら、もっと実際的な「どうすれば神の愛を感じられるか」「神がそば近くいることに気づくにはどうしたらいいか」といった問いが話題になるだろう。

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