読売新聞の冠婚葬祭についての世論調査で、葬儀に関する宗教離れの現状がわかった。7日付同紙が報じた。興味深い回答数を3つ取り上げ、コメントしてみたい。
■通夜や告別式をせず火葬だけを行う「直葬」を「とくに問題はない」と答えた人が72%に上った。
時間や費用の節約だけ考えれば、そうなるだろう。しかし伝統的に通夜の慣習があるのは、心臓停止後24時間くらいは魂が肉体から完全に離れていないからだ。この間は蘇生の可能性もあり、死後解剖や火葬をされると痛みや衝撃が魂に伝わり、死者が大変な苦痛や恐怖を覚え、安らかに旅立てなくなってしまう。
告別式にも、亡くなった霊が自分の遺影や読経などの光景を見ることで死を自覚し、あの世にスムーズに旅立てるようにする意味がある。決して、遺族や列席者が故人とお別れをする形式に過ぎないわけではない。
■「無宗教での葬式でいい」とする声は48%になった。
だが、亡くなった人の霊には、あの世から導きの霊がやってくる。それについて大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『信仰のすすめ』でこう説いている。
「やはり、どこかの宗教に所属しておいたほうがいいのです。どこかの宗教に分類されていないと、その人が亡くなったときに、霊界のほうでも、誰が世話をしに行ったらよいかが分かりません」「何らかの宗派に属していると、その宗派の関係者がやってきて、責任を持って世話をしてくれるので、あとが実にスムーズに進むのです」
■遺骨を灰にして撒く「散骨」などの埋葬方法について、「とくに問題はない」は82%になった。
しかし、本人や直接の身内はそれでよくても、墓地や仏壇がなければ、幼い子供が墓参りなどを通じてご先祖様の存在を理解し、先祖への感謝を学ぶ機会が失われるとの意見もある。
人は死ねば焼かれて灰になるだけだと考えたり、神仏や天使の存在を知らずしては、故人の冥福につながらない。伝統宗教が葬儀の霊的意味合いを分からなくなっているのも問題だ。(居)
【参考書籍】
幸福の科学出版ホームページ 『信仰のすすめ』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H0207.html
【参考記事】
2011年10月号記事 ガチンコ論争「お答え」編インタビュー(3)─200号記念総力特集「宗教」