地球に似た惑星といえば、20光年離れた「グリーゼ581g」が昨年発見されたが、さらにもう一つそのような惑星が見つかったというニュースが、ナショナルジオグラフィックニュースで報じられた。
グリーゼ581gよりさらに遠く、地球から36光年離れた場所に見つかった「HD85512b」という太陽系外惑星がそれだ。帆座の方向にある、K型主系列星(橙色矮星)の周りを回っている。
発見したのはチリのヨーロッパ南天天文台(ESO)。この惑星の質量は地球の3.6倍、中心星をめぐるその軌道は表面部に水が存在するのに適した距離という。いわゆる水が液体でいられる温度にあるハビタブルゾーン(生命居住可能領域)の中にあるということだ。液体の水があれば、生命体の存在の可能性が出てくる。さらに窒素と酸素が多くを占める地球に似た大気を持つ可能性も高まるという。ハビタブルゾーンの中にあることが確認された太陽系外惑星は、今のところ、このHD85512bとグリーゼ581gの2つ。
残念ながら、現在の地球レベルの科学で有人宇宙飛行して到達するには難しいとのこと。液体の水が存在する条件を満たしているが、地球よりも蒸し暑く、重力が地球の1.4倍あるとの見方をしている(ハーバード・スミソニアン天体物理学センターおよびマックス・プランク天文学研究所所属のリサ・カルテネガー氏)。
地球外知的生命体探査(SETI)の電波望遠鏡でHD85512bから電波が発されているかどうか調べることになるのだろうか。もし科学が発達した知的生命体がいたとして、相互に情報交信するレベルなのか。もし進んでいるなら、彼らは宇宙船に乗って、地球を訪れている可能性もないとは言えまい。(ア)