ナショナルジオグラフィックニュース、CNNなどによると、6月26日、米フロリダ州ポートサレルノの19km沖で瀕死のダイオウイカが見つかった。体長約8m、体重は約90kgだったとのこと。

ダイオウイカといえば、かつて船乗りたちに恐れられた海の怪物クラーケンの正体ではないかとされている巨大イカだ。和名で「大王」というぐらい、その大きさは無脊椎動物としては世界最大級で、眼球の大きさからして直径30cm、これは地球最大の眼球である。大きなものでは体長18m、体重1トンに達するものもあるとのこと。ヨーロッパで発見されたタイセイヨウダイオウイカは体長20mを超えたとも言われる。体色は赤褐色だが、死ぬと表皮が剥落し、白く変色する。そのため水族館などで見る標本では白い。

深海にいるため生態はベールに包まれているが、ダイオウイカはマッコウクジラの大好物であり、深海で食うか食われるかの激しいバトルを繰り広げている。それはマッコウクジラの胃からダイオウイカが検出されることと、マッコウクジラの体表に数限りない巨大な吸盤の痕跡が残されていることからわかるのだ。

今回のフロリダ沖でのダイオウイカ発見者は3人の釣り人たち。激しく驚いたことは想像に難くない。日本でも2006年に小笠原諸島で生きているダイオウイカ(体長3.5m)が発見されたことがあり、動いている映像が撮影されている。(参考映像: http://www.youtube.com/watch?v=p1NUbthNkxc

未知の未確認動物を和製英語でUMA(Unidentified Mysterious Animal)と呼ぶ。ダイオウイカは存在そのものがミステリアスでUMA風であるが、学名もついた確認動物。海岸に死骸として漂着するケースが多いなか、今回フロリダで捕獲されたダイオウイカは瀕死の状態で、死後も保存状態がよく、研究によって今後さらなる謎の解明があるかもしれない。

いまだに地球上では新種の生物が数多く発見されている。30日には、カリフォルニア科学アカデミーはフィリピンで約300種もの動植物の新種を発見したと発表(AFP通信)。その姿形は神様がデザインして作ったとしか思えないほどバラエティに富む。現代科学がすべてを解明し尽くすなどということはありえないのではないかと思えるぐらいに、地球は不可思議なものを懐深く秘めている。(ア)