祐天上人
江戸時代に念仏信仰を広め、怨霊を成仏させた「江戸のエクソシスト」と呼ばれる浄土宗の僧侶、祐天(ゆうてん)上人(1637~1718年)。祐天上人は、今や人気の観光スポットとなっている鎌倉と奈良の大仏の復興に力を注ぎ、江戸幕府から庇護を受けた。亡くなった後、現在の目黒区に「祐天寺」が創建され、浄土宗における高僧として位置づけられている。
そんな祐天上人がこのほど、幸福の科学の大川隆法総裁の前に現れ、悪霊を成仏させたという際のエピソードや、現在の心境などについて語った。その内容は現在、「浄土宗の何が問題なのか─祐天上人/ヤイドロンの霊言─」として、幸福の科学の支部・精舎で拝聴できる。
念仏だけを唱えれば救われる!?
祐天上人の名を一躍有名にしたのは、累(かさね)という女性の怨霊を成仏させたという逸話である。浄土宗では珍しい、エクソシストの"実力"を発揮したこの話は、歌舞伎などさまざまな芸能作品の題材となっている。
祐天上人の霊は、念仏宗の極意を聞かれると、「とにかく、阿弥陀様にすがることなんよ。それ以外、わしは何にもないと言うとる」と返答。当時、大奥の人々も、祐天上人に帰依した経緯に関しては、「『南無阿弥陀仏と言えば、それで救われる』って言ったら、もうみんな分かるやんか」「で、『救われんかったら?』と(言われると)、『百万遍唱えなさい』って言ったのよ」などと述べ、念仏だけを唱えれば救われるとした。
とはいえ、仏教徒には守るべき戒律もあるはず。それについては、「親鸞さんは一切の戒律を廃止されたんじゃないか」「戒律なんかないんよ」などと語り、意に介さなかった。
求道心がなければ、人は堕落してしまう
念仏を唱えることだけが重要と語る祐天上人の霊は、なぜ、そうした発想に至ったのか。祐天上人の霊言を終えた後、「エルダー星」から地球に飛来し、高次元の霊的な力を持っている宇宙的存在のヤイドロンの霊言が収録され、その原因に迫った。
ヤイドロンは、「浄土宗系や浄土真宗も、みんな反省なんてできない人たちだからね。戒律は要らないしね。阿弥陀様に帰依すればいいっていうことだが、阿弥陀様は誰も会ったことはない」と指摘。浄土真宗についても、「浄土真宗系は何か無戒律が多くて、人間としてはちょっとな、精進力が足りないわな」と、修行者の前提である戒律が十分に守られていないことを問題視した。
その上で、「自分の心の中にある求道心がなければね、だいたいみんな転落するのよ」とし、浄土宗の開祖・法然(ほうねん)上人は、祐天上人とは異なり、戒律を守り、清廉潔白な人生を送ったことを例に挙げた。
浄土宗は、仏の教えを"大衆化"させ、多くの信徒を得ることができた。だが、教えをあまりにもシンプル化・インスタント化したことで、自分を甘やかす修行者を生み出してしまった。阿弥陀様の名をただ唱えればいいのであれば、仏陀があまたの教えを残す必要もない。
神仏の存在を否定する唯物論だけでなく、既存の宗教の中にも間違いがある。そうした誤った教えが人々の信仰心を薄れさせている面があることが、本霊言によって浮き彫りとなった。
霊言では他にも、以下をはじめ、多数の論点について言及があった。
- 怨霊成仏伝説の真相
- 祐天上人の霊は、仏陀や法然、親鸞、日蓮をどう見ているか?
- 悪人正機説への評価
- 他力信仰と求道心の関係について
- 宗教が戒律をつくる理由
ここに紹介したのは霊言のごく一部です。
詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
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【関連書籍】
『地獄に堕ちた場合の心得』
幸福の科学出版 大川隆法著
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