《本記事のポイント》

  • 米国防総省が過去に行ってきた秘密裏のUFO研究が明らかに。
  • 米海軍パイロットたちが実名でUFO目撃談を証言。
  • 大統領すら近づくことのできないUFO情報も。

アメリカ政府の元高官が、同国の在郷軍人会のサイト(2月18日付)に、「政府はUFOを公式に調査研究せよ」という檄文を飛ばし、話題となっている。

在郷軍人会の中で世界最大規模であるアメリカ在郷軍人会は、退役軍人のための組織であり、アメリカ最大の圧力団体(ロビー)の一つだ。

「軍人や国家の安全保障のために、UFOの正体を突き止める予算を要求すべき」と在郷軍人会のサイトに投稿したのが、クリストファー・メロン氏。ビル・クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権で情報担当国防次官補代理を務めた。

メロン氏は、メロン財閥で知られるメロン一族の一人であり、国防総省の中でトップから3番目の地位にいた高官。国家安全保障関連の情報の専門家だ。

米政府がUFO情報を隠してきた

メロン氏が投稿した内容によると、事の発端は、2017年12月16日付の米紙ニューヨーク・タイムズが一面で、国防総省が過去に行っていた秘密のUFO研究をすっぱ抜いたことだった。

そのネット記事は、F-18戦闘機のパイロットによって目撃されたもので、UFOのリアルな映像を2つ掲載。一躍、世界の話題になった。

これらの情報をもとに、米議会の国家安全保障監視委員会の議員たちが、政府にブリーフィングを要求。海軍や国防総省は、事実を隠すことができなくなった。

海軍の広報は、この映像はフェイクや機密のテスト飛行ではなく、本物のUFO/UAP(UAPは unidentified aerial phenomenonの略で未確認空中現象の意味)であることを認めたのだ。

この海軍の発表は、今まで政府が行ってきたUFO研究、すなわち、1948年のプロジェクト・サインから始まり、69年に終了したプロジェクト・ブルーブックを、根底からひっくり返すことになった。

つまり、米ソ冷戦時、これらのプロジェクトは、国民に真実を公表することよりも、国民を"安心"させ、民間のUFO研究者たちの信頼を落としめるために、あらかじめ政府に操作されてきたことを意味する。

その結果、UFOへの偏見が生じ、軍や情報関係者がこうした情報を自ら封印してきた原因にもなったと言える。

パイロットが実名で告発

しかし、UFOを現場で目撃した海軍パイロットたちの証言を聞けば、未確認飛行物体の異常性がよく分かる。

例えば、上空約2万4千メートルから降下し、海上15メートルで停止すると、急に極超音速で飛び去る。そして、F-15の戦闘機に対して常に優位なポジションを維持しつつ、あり得ない角度で宙返りを行う。

直径約1.8メートルの球体で、黒いキューブのようなものが内蔵されている飛行物体には、給気口や排気口、ウィングなどがなく、超音速で飛行する。まさにエイリアンの乗り物のように見えたという。

もし、これらがロシアや中国のものであるなら、ソ連が人類で初めて、人工衛星スプートニクを打ち上げた時のような大騒ぎになるはずだが、そうはなっていない。

パイロットたちは、顔と名前を公表して証言し、警鐘を鳴らしたが、いまだに国防総省はその調査を行わず、数多のUFO/UAPに関する情報を持つ諸機関を統合する予定もないのが現実だ。

UFO情報には大統領ですら近づけない!?

メロン氏は、「不法移民への対策に予算を割くのなら、不法に領空侵入する飛行物体にも予算を充てるべきではないか」と力説する。

その上で、「トランプ政権は、異常な航空宇宙空間での脅威に関する国家情報評価書の作成」、「議会は国防長官か国家情報長官に、この評価を準備するよう指示する」、そして「国立科学財団の後援で、独立した委員会をつくる」ことを提言している。

同氏は、「もしそういった調査ができないなら、政治家たちは、政治的ご都合主義を優先しているとしか言いようがない。それは、ローマで駆け引きをしている政治家どもに、戦場の軍が軽んじられたせいで衰退したローマ帝国を連起させる事態である」と、国家の存続に対し危機感を露わにしている。

このように強く訴える理由は、国防の最前線で正体が分からないものが実在しているにもかかわらず、政府などがそれを放置していると、「諜報活動の失敗」が続き、「真珠湾や9.11(米同時多発テロ)のような悲劇が繰り返されるから」だ。

しかし、アメリカはUFOの研究をしていないわけではない。全く表に出てこない深いところで、それを行っているという多くの証言もある。

ただ政府としては、軍の安全という理由で、最高機密であるはずの研究を現実レベルの問題として対処することは避けたいのだろう。

そもそも、大統領ですらすべての情報に触れられないと言われるほどに、UFOの問題は複雑である。UFO情報があふれるアメリカでさえ、それに対して政府の予算をつけるのはなかなか困難なようだ。

もう無視できないほどに存在感が高まっているUFOについて、世界が対処せざるを得なくなって来ているのも事実。アメリカの今後の動きは要注意だ。(純)

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