15日発信のAFP通信によると、エジプト・ルクソールで発掘され、カイロの博物館に保管されている女性のミイラの右足に人工親指がついており、これまでで最古の人工器官だと、英マンチェスター大学の研究チームが論文を発表した。

ミイラは高位の僧侶の娘で、木と皮で作られた保存状態の極めてよい人工親指がくくり付けられていた。親指は糖尿病による壊疽で失ったと見られている。女性が生存していたのは紀元前950年~710年ほどと考えられる。

実際にこの人工親指を再現し、歩行障害を持つ被験者に実験してもらったところ、快適だったという。したがってこれは、来世のための「お飾り」ではなく、人工四肢として実用されていたのではという見方だ。

エジプトの古代神話では、愛と癒しを象徴する女神ハトホルを崇拝して建てられたハトホル神殿は、療養施設を備えて、癒しの奇跡が起きていたという。なんとけがで失った体の一部を再生することがあったという( http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=55 )。

本来、人体には自分の体を復元する能力を持っていたものが、エジプト後期になると、忘れ去られてしまったのだろう。おそらく発見された人工親指は、唯物的になってきたエジプト時代の象徴なのではあるまいか。(ア)

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