4日発信のロケットニュースに掲載された、米航空宇宙局(NASA)のサイエンスニュースが目を引く。 探査機カッシーニの探査によって、土星から24万キロ離れた衛星エン ケラドゥスに海があり、生物誕生の条件が整っている可能性が出てきたのだ。

エンケラドゥスは太陽から遠く離れて極寒の小さな星だが、地表の大きな裂け目から絶えず蒸気を噴出していて、厚く覆われた氷の下には「海」があるのではと、これまで注目を浴びてきた。そして今回のカッシーニの探査によって確証が深まったという。

探査では、エンケラドゥスは極寒で、表面温度は平均マイナス220度前後であるのに対し、裂け目から噴出している物質、つまり水蒸気や氷粒子や有機化合物が出る出口付近はマイナス80度程度と比較的高温。これは氷の下に火山がある証拠で、熱が氷を溶かして大量の蒸気を放出している可能性があることを示す。2009年の探査では氷粒子から塩分も発見されている。

以上のことから、エンケラドゥスの表面からずっと深いところで気体が発泡氷を作り、天然ガスを含む炭酸飲料のような海ができあがっているのではと考えられる。もちろん微生物が生息するのに好都合な環境だ。エンケラドゥスは土星の衛星だが、もし微生物を主食とする生物がいて、さらにその生物を食する高等生物がいるとすればそれこそ「土星人」だろう。NASAの新情報アップ度が加速している。(ア)

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