近年、空前の猫ブームが到来している。

猫が登場するテレビCMが急増し、街を歩けば猫グッズがズラリ。猫が重要な役割を果たすドラマや映画も多い。

猫カフェや、住民より猫の数が多いという「猫島」にも観光客が押し寄せている。動物写真家・岩合光昭氏の猫の写真展も全国で盛況のようだ。

全国の猫の飼育数は次第に増えており、2015年は約990万頭となった。犬の飼育数に迫る勢いだ。

経済学者で関西大学名誉教授の宮本勝浩氏によれば、猫による経済効果は、2015年1年間だけで2兆3162億円にも上るという。猫の飼育費用や写真集、グッズの売り上げなどの「直接効果」と、そうした猫の関連商品の原材料を売る会社の売上、観光地の経済効果などの「波及効果」を合計した試算とのことだ。

癒されたいニーズに応えるペットたち

これだけの経済効果をもたらしているということは、ストレス社会といわれる現代において、猫が人々の癒しのニーズを満たしていることを意味する。

最近では、猫が喉を鳴らす時のゴロゴロという音の癒し効果についての研究が進んでいる。この音には、人間の免疫力や自然治癒力を高め、ストレスを軽減したり、血圧を下げる効果があることが分かってきている。

さらに、このゴロゴロ音が発する20~50ヘルツの細かい振動には骨折を早く治す効果があるとされ、これと同じ微弱な超音波を骨に当てる治療法がスポーツのトッププレイヤーたちにも取り入れられている。

動物の使命と魂修行とは

こうしてみると、ペットたちには「人を癒す」という尊い使命があるのではないかと思える。

幸福の科学グループの大川隆法総裁は、ペットの役割について、2014年10月号の「アー・ユー・ハッピー?」で次のように述べている。

いろんな生き物が創られたのには『理由』があり、それぞれの生き物に何らかの意味があります。(中略)犬は『忠実さ』や『忠誠』ということを学ぼうとして生きています。猫はどうかというと、人間にかわいがられたり、『癒し』を与えたりする反面、『臆病さ』や『用心深さ』のようなものも持っています。そうした『特徴』を魂として学んでいるのです

ペットというのは、本当は人間になりたくてしょうがない魂たちが、人間の近くにいることによって、何か役に立ちながら、人間の生活を見て勉強しているのだと思ってください

動物たちも神々が明確な意図を持って創られており、人間と同じく「魂修行」を積んでいる。原則として動物は動物に、人間は人間に生まれ変わるが、動物の中にも人間の役に立ちたいと努力している魂もいるのだ。

そうした目でペットを見ると、さらに愛おしい気持ちがわいてくる。ペットを飼っている人は、人間に癒しを与えてくれる存在に感謝しつつ、大切に接してほしい。(三)

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