2011年に亡くなったSF作家の小松左京氏は、『日本沈没』などで知られる。しかし同氏が「モリ・ミノル」名で漫画家として活動していたことは、あまり知られていない。
代表的な作品の一つは、大阪の不二書房から昭和20年代半ばに刊行された『大地底海』という漫画。砂漠の地下に海があり、そこに棲む「デモネス族」という悪者が人類に戦いを挑んできた、という設定の作品である。
物語の舞台は刊行当時から50年後の西暦2000年頃。高層ビルが建ち並ぶ都市に、蒸気機関車ではなく新幹線風の列車が走り、空にはジェット機が飛ぶ情景が描かれている。