「高さ」規制緩和で、大阪経済の活性化なるか
2014.02.25
大阪市の中心部を南北に走る御堂筋は、大阪ミナミのメインストリートだが、淀屋橋~本町間の沿道の建物は、高さが60メートルに制限されていた。それが、大阪市都市計画審議会により、今年1月から規制緩和された。
その適用第1号となるのは、三菱東京UFJ銀行の大阪ビルだ。老朽化による立て替えに伴い、建設位置を現行より歩道から4メートル後退させることで、低層部が高さ50メートル、それ以上の上層部をさらに4メートル後退させ、地上21階、高さは現在の約3倍の107メートルの高層ビルにするとの計画が発表された。
新ビルには、人の行き来を盛んにするために原則として「にぎわいスペース」を設けることが求められており、同行は1階にカフェやギャラリーを設け、地下鉄淀屋橋駅と直結する地下通路をバリアフリー化する予定だ。
御堂筋の名前が史実として初めて現れたのは、1615年「大阪夏の陣」について記録した徳島藩の文書だ。現在知られる広い道幅を持つ御堂筋は、大正時代に、關一(せき・はじめ)市長の都市計画によって、地下鉄新設と併せて総工費約3380万円をかけて建設された。全6車線、40メートルを超える道幅は、当時、「飛行場でも作る気か」と揶揄されたそうだが、今や大阪の人とモノの移動の大動脈となっている。
御堂筋一帯には、ここ数年、国内外の有名ファッション・ブランドが出店するなど、若者を呼び込む動きはあったものの、大阪駅北側のグランフロント大阪開業や、天王寺駅周辺の再開発に押され気味だった。また、本社を東京へ移転させる企業や、景気の悪化が原因で高い賃貸料を嫌う企業が次々に事務所を移転したために空室率が上がるなど、「地盤沈下」が危惧されていた。
今回の規制緩和により、老朽化したビルの立て替えが進み、さらなる活性化が実現することが期待される。(宮)
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