ローマ法王はマルクス主義者!? 資本主義経済を「人殺し」扱い
2013.12.02
ローマ法王フランシスコは26日、法王就任以来初となる「ミッション・マニフェスト」を発表し、資本主義に対して露骨な表現を使って批判した。27日付ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えている。
このたび発表されたのは、使徒的勧告と呼ばれる、ローマ法王が公式に発表する文書。この中で、フランシスコ法王が今年3月の就任以降強調してきた弱者救済の活動について改めて述べるとともに、経済的不平等や社会的不公正を糾弾した。
また、市場経済システムについて、「このような経済は殺すことになる」と述べ、「根本において不公正」であり、「新しい専制を生む可能性がある」とした。資本主義経済システムをいわば「人殺し」扱いした発表に波紋が広がっている。
フランシスコ法王は、5月のミサでも、「無神論者も、善行を行うならば、カトリック教徒と同程度に善人である」「あなたが何を信じようと、あるいは信じなくとも、主はキリストの血によって、我々すべてをお救いになった。カトリック信者のみならず、すべての人を。無神論者さえも」と語り、物議をかもした。
貧困層に救いの手を差し伸べることや、カトリック教徒以外の隣人に分け隔てなく接することは大切だが、資本主義経済を否定し、無神論者を肯定するならば、マルクスの共産主義思想と何ら変わらない。
資本主義経済を否定する計画経済は旧ソ連ですでに破たんしている。また、神仏の存在やあの世の存在を信じていない人が、死後すぐに天国に帰ることは難しいのが霊的真実だ。
カトリック信者12億人の約半数を占める南米では、近年信者が減り続けている。メキシコについでカトリック信者の多いブラジルでは、その割合が過去20年間で83%から68%に減っている。いつまでもお金を罪悪視し、市場経済や金持ちを批判しても、貧しい人が豊かになるわけではない。本当に人々を貧困から救いたいならば、教育の大切さや自助努力を説くべきだ。(紘)
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2013年5月号記事 新ローマ法王は現代の聖フランチェスコになれるか? - 編集長コラム
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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