2年でレアアースの中国依存脱却へ 日本の製造業の技術開発進む
2012.11.13
日本のハイテク機器や部品の製造に欠かせないレアアース(希土類)について、2013年半ば以降には中国からの輸入が5割を切ると、枝野幸男経済産業相が見通しを示した。12日の衆院予算委員会で述べたもので、オーストラリア、カザフスタン、インドなどからの輸入が着実に増えているためだ。
一方、中国ではレアアース業界には急ブレーキがかかっている。中国最大手の「内蒙古包鋼希土高科技」は10月末、1カ月間の操業停止に入っている。中国のレアアース企業はおよそ300社あるが、そのうち4分の1が生産を中止しており、操業中の企業でも稼働率は30%程度に落ちている。
最大輸出相手国の日本からの需要が大幅に減ったため、現地でも「市場の実態を無視したレアアース政策が混乱につながった」との批判が出ているという。
日本は、年間約3万トンのレアアースの80%を中国から輸入していたが、2010年9月の尖閣中国漁船衝突事件で、中国当局が日本へのレアアース輸出をストップ。日本の「自衛策」としては輸入先の多様化のほか、「脱レアアース」を目指した代替品の開発も進展している。
精密小型モーターの製造で世界一のシェアを持つ日本電産株式会社は、レアアースを使用する永久磁石が不要なモーターを開発。日立製作所は、パソコンのハードディスクドライブのモーターやエアコンなどのコンプレッサーから、レアアース磁石を分離・回収する「脱磁装置」を開発し、2013年には本格的に稼働させるという。また、ホンダは、ハイブリッド車のニッケル水素電池に含まれるレアアースのリサイクル技術を、日本重化学工業と共同で開発した。
このように精密部品や素材の分野で日本の製造業はまだまだ底堅いものがあるが、中国の経済と政治の不安定化で、さらなるイノベーションとスピードが必要になってくるだろう。(清)
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