中国が尖閣の天気予報開始―着々と進む既成事実化
2012.05.31
中国福建省の気象局が尖閣諸島周辺や南シナ海で他国と領有権を争う3島の天気予報を始めている、と30日付の朝日新聞などが報じた。「漁民に好評である」と同気象局のホームページに掲載されたところ、中国内メディアも相次いで報じている。
また、フィリピンとの間で主権争いを巡る海域でも、中国海南省の気象局は従来の周辺海域の予報に加え、島そのものを対象にし始めた。これらの動きは「海洋観測予報管理条例」の施行(6月1日)に合わせた動きである。
この新条例は単に天気予報のレベルではない。新条例の内容に関して30日付「フジサンケイビジネスアイ」で産経新聞東アジア室長、山本秀也氏が論じている。以下要旨。
- 海洋ステーションやブイを設置して53の漁場で潮流や海水の塩分濃度など海洋情報を観測する。観測対象にはもちろん尖閣諸島も含まれている。
- もし尖閣周辺の日本領海に中国が観測用のブイを浮かべて、日本側が撤去したら、「違法」になる。
- 新条例の施行は、明らかに尖閣や南沙諸島の支配に向けた法制化の一端とみるべきだ。
今年の3月3日にも、日本政府が尖閣諸島周辺の無人島などの名前を公表したことに対抗し、中国側は尖閣諸島とその周辺の島々(計71)について、中国語の公式名称をつけたことを発表している。この時、中国外務省の洪磊副報道局長は「日本側がどのような名称をつけようが、これらの島々が中国に帰属するという事実は変わらない」と強弁している。
今回の新条例に限らず、中国は既成事実を着々と積み重ねている。中国の小さな動向を見逃さず、6月2日に公開する映画「ファイナル・ジャッジメント」の中で描かれている悲惨な情景が、いつの間にか目の前に広がっていることのないようにしたいものだ。(徳)
【関連記事】
近未来予言映画「ファイナル・ジャッジメント」の特集ページ(本サイト内)
http://www.the-liberty.com/fj/
2012年7月号記事 映画「ファイナル・ジャッジメント」 - 識者によるインタビュー
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4305
2012年4月23日付本欄 【そもそも解説】尖閣諸島買い取り問題
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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