一川・山岡2閣僚の問責可決 防衛と警察の混乱は野田政権の行方を暗示
2011.12.10
9日の参議院本会議で、一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員長に対する問責決議案が、自民、公明など野党の賛成多数で可決された。
しかし、2閣僚は、「引き続き防衛相としての職責を責任持ってまっとうしたい」(一川氏)、「引き続き職務に全力を挙げて取り組んでいく」(山岡氏)と辞任しない意向を表明。野田佳彦首相も夕方の会見で、「襟を正して職務遂行に全力を挙げてほしい」と述べた。
首相が2人を更迭しない背景はいくつかあるだろうが、その大きなものの一つに、2人が共に民主党の小沢一郎グループに属していることが挙げられる。小沢氏は、反消費増税の署名を集める動きなどを見せて、野田政権を揺さぶっているが、もし2人を更迭すれば、その揺さぶりをさらに強めるだろう。
結局、組閣時に党内融和を優先して、適材適所の人員配置をしなかったことのしっぺ返しを食っている。元を正せば、野田首相自身の責任である。
また、防衛と警察・公安は、国民の生命・財産・安全を守る国家の根幹をなす分野だが、ここで問題が起こっていることは、野田政権の未来を暗示していると言えるだろう。2012年は、日本の周辺国で国のトップが次々と変わる激動の年になるのは間違いないが、危機が訪れたときに、果たして野田政権は国民を守ることができるか。2閣僚だけでなく、野田政権そのものが"更迭"されるべきだ。(格)
【関連記事】
2011年12月号記事 2012年世界はこうなる 第1部-国際政治編(2) 宮崎正弘氏・鈴木壮治氏
宮崎正弘氏インタビュー 中国に訪れるのは民主化でなく「混沌」
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3149
2011年12月3日本欄 小沢一郎氏、背水の陣で「消費税反対」の署名活動へ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3427
2011年9月2日本欄 野田「ムラ社会内閣」が発足 最優先は「党内融和」
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画