文科省 海底資源探査に総額220億円
2011.10.09
文部科学省が、日本近海に眠るレアアースやメタンハイドレートなどの海底資源を調査するため、2012年度から調査研究船の開発・建造に乗り出すことを、8日付日経新聞夕刊が報じている。総額は220億円で、4年後の完成を目指す。
文科省は「新規海洋資源開拓基盤開発プロジェクト」として、2012年度予算案の概算要求には68億円を盛り込んだ。調査船は、高精度のセンサーを搭載し、これまでできなかった複数の無人探査機を同時に操り、資源の埋蔵量や分布の調査を広い範囲で効率よく調べる。
まず、調査船が音波などを使って海底下の構造を把握。次に、自律型の無人探査機が、海底から高さ100~200メートルを進み、電磁波を海底に照射するなどして資源の有無を調べる。データはリアルタイムで調査船に送信され、海底下にレアアースや金、銀などがあると判断できれば、調査船から遠隔操作できる別の無人探査機が海底に下りて、試料を採取したり、画像を撮影したりする。
本誌も以前から積極的な海洋開発の必要性を訴えてきた。
日本は、経済的なさまざまな権益を持つ排他的経済水域(EEZ)の面積が国土の12倍もあり、その広さは世界で第6位。近海の海底には、上記の資源のほか、海底熱水鉱床やコバルトやマンガン、ニッケルを多く含む「コバルト・リッチ・クラスト」、イラク油田に匹敵する埋蔵量を持つ東シナ海のガス油田など、さまざまな資源が集中している。
日本は海洋開発のさらなる技術革新によって、中東やロシア、オーストラリアなどを超える新たな資源大国になる可能性が十分にある。野田政権は、増税して税収を増やすのではなく、こうした新たな基幹産業として期待できる分野に投資をして、積極的に「稼ぐ」ことで税収を増やしていくべきだ。(格)
【参考記事】
2010年4月号 100万人の雇用創出計画
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=862
2011年1月号 2031年日本の未来構想(2)日本は中東を超える資源大国
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=327
2011年7月4日付本欄 陸上埋蔵量の1000倍のレアアースを発見 東大研究グループ
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