外相級戦略対話 自然な米印の接近
2011.07.21
米印両国は19日、ニューデリーで外相級の戦略対話を行なった。
13日にムンバイで起きた連続爆弾テロを受けて、共同宣言では戦略対話ではテロ対策での協力が強調されるとともに、アメリカはインドの原子力発電での協力強化も盛り込まれた。
インドを取り巻く地域情勢は流動化している。米パ関係が冷却化する中で、米軍のアフガン撤退は秒読みとなり、アフガンに権力の空白が生まれる懸念がある。アメリカ撤退後は、パキスタンがタリバンなどのテロリストを温存しやすくなるため、インド国内のテロの危険性は高まる。軍拡著しい中国はパキスタンでの軍港建設を進めるとともに、アフガンでの銅山開発も行なっている。中国、パキスタン、アフガニスタンの結束が強まれば、インドは苦しい立場に置かれる。
こうした地政学的な情勢変化の中で、インドとアメリカの接近は自然な流れと言える。インドは特定の国と同盟を結ばない非同盟主義を取ってきた伝統があるが、台頭する中国の脅威を前にして、日米印は共通の利害を見つけて、事実上の同盟関係を着実に構築してゆく必要があるだろう。
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