東電株主総会 「脱原発」に反対が89%
2011.06.30
全国10の電力会社の株主総会が、28日から29日にかけて開かれた。各総会では、一部の株主から原発事業の撤退を求める提案が行われたが、いずれも否決され、各社は今後とも原発事業を継続していくことを確認した。
福島第一原発を抱える東京電力の株主総会は28日に都内で開かれ、過去最高だった昨年を約6000人上回る株主9309人が出席。そのうちの402人が「脱原発」の議案を提案したが、賛成8%、反対89%、棄権・無効3%の反対多数で否決された。また、菅首相から事実上の運転停止を命じられた浜岡原発を抱える中部電力の総会でも、同じように「脱原発」議案が否決された。
不可解なのは、多くの新聞やテレビが圧倒的多数で「脱原発」が否決された事実を短く伝える一方、総会で各社の幹部が非難されたことを大きく取り上げ、読者や視聴者に、社会の空気が「脱原発」に流れているような印象を与えている点である。
29日付毎日新聞は、東京電力の「脱原発」議案に賛成した割合が、昨年の5%から3%増えたことを取り上げ、「賛成拡大8%」という大きな見出しをつけて強調。昨年より出席者が6000人増えた上で、「脱原発」を求める人がたった3%しか増えなかったにもかかわらず、まるで鬼の首をとったような伝え方をしている。他にも同日付朝日新聞は「脱原発 株主も問う」「脱原発派は手応え」などという見出しをつけている。
「株主は自分の懐が痛むから、原発を止めたくないんだ」という言い方もできるかもしれない。しかし、日本人が持つ大半の資産は日本にあるはずで、「日本人全員が日本の株主」という見方もできる。であるならば、原発を手放して経済活動を失速させることは、日本人自ら「日本株」の価値を下げているに等しい。止まっている原発を一刻も早く再稼働させ、日本株を上向かせるべきだ。(格)
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