不法移民取り締まりへの反対などで相次ぐ無差別銃撃 ─ 元FBI長官起訴の背景とガザ和平の見通し【─The Liberty─ワシントン・レポート】
2025.10.06
不法移民の取り締まりを担当する「移民・関税執行局(ICE)」のテキサス州の施設で9月24日、ICEを敵視する29歳の男がICE職員を狙って無差別に発砲する事件が発生し、全米に大きな衝撃を与えた。施設の収容者である不法移民1人が死亡し、2人が重体(そのうち1人は30日に病院で死亡)となった。犯人は自殺した。
使用された弾丸に「アンチICE」と刻印されていたことなどから、犯人は反ICE の極左と判明し、事件は典型的な「テロ」とされた。
同施設に対しては、8月にも36歳の男性が現地事務所に現れて、起爆装置を見せながら爆弾で施設を爆破すると脅迫していた。施設では避難命令が出され、警察の爆弾処理班が派遣され、男はテロ脅迫の罪で起訴された。
上の無差別発砲事件を報道したCNNなどの主要メディアは、テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員や共和党知事などが、「ICEをナチなどと呼んでいる政治家や活動家は、それを止めよ」と強い調子で非難している場面をそのまま放送した。アンカー(司会者)はその発言について批判的なコメントは一切せず、共和党による左翼議員や左翼活動家などへの批判を事実上認めていることが伝わってきた。
リベラルメディアを含めた民主党勢力の内部からも、極左の議員や民主党活動家による左翼的発言や煽動に対して批判が相次いでいる。有権者の間でも、民主党の支持率はこの40年来で最低を記録し、同党への信頼は地に落ちたと言われている(3月16日発表CNN世論調査、3月21日FOX Newsでのマーク・ペン氏の発言(ヒラリー・クリントン上院議員の元世論調査担当)、7月11日付議会紙ザ・ヒルの分析、7月25日発表ウォール・ストリート・ジャーナル紙世論調査他)。
バイデン氏の大統領選勝利後の4年間(2020年11月~2024年11月)で、主要30州全てで民主党の有権者登録が計210万人減少し、同時期に共和党は計240万人増加していることが判明。民主党がこのトレンドから抜け出すには長い年数が必要だと指摘された(2025年8月20日付ニューヨーク・タイムズ)。さらに、民主党寄付者たちは、「民主党のリーダーシップと一貫性したメッセージの欠如」を批判し、「状況は悪化し続けている」と失望と不満を公言している(9月29日付ザ・ヒル他)。
一方、9月28日にはミシガン州で、40歳の右翼の退役軍人が、アメリカ国旗を掲げたトラックに乗って、礼拝中のモルモン教会に突っ込んで乱射し、教会を燃やし、少なくとも4名が死亡、8名が負傷する事件が発生し、衝撃が走った。犯人の男は共和党員で、イラク戦争に従事した元海兵隊員でもあり、数々の賞を受賞していた。犯人は警官に射殺され死亡した。
犯人がこの事件を起こしたのは、友人などの証言によると、政治的動機からではなく、「モルモン教は『反キリスト』であり、世界を支配しようとしている」と考え、モルモン教を憎悪していたためであることが判明している。
いかなる理由であれ、何の罪もない人を無差別に殺害することは、決して許される行為ではない。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画