なぜ中国人の"爆買い"が止まったのか? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2024.09.04
アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
現在、中国では消費の低迷が続いているが、その原因の筆頭は「所得分配の長期的な構造的不均衡」だろう。
この点に関しては、2023年12月27日に発表された中国の所得分布に関する公式報告から、以下の事実が判明した(*1)。
まず、2021年の中国の月収が1090元(約2万1800円)未満の人口は6億人に達し、中国全人口の42.85%を占める。
次に、1090~3000元(約6万円)を中低所得者層の収入基準とした場合、この層の割合は全人口の41%、約5億7400万人に達する。
そして、全人口の残り16%のうち、月収3000~5000元(約10万円)の層は11%、約1億5400万人にのぼる。
(*1)2024年4月25日付『RFA』
「爆買い」を支えたのは真の成長ではなく「資産効果」
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