北京大教授が「反スパイ法で留学生が減少している」と"批判" スパイ法が経済・学問を妨げると内部からも懸念相次ぐ
2024.03.16
《ニュース》
中国・北京大学国際関係学院の賈慶国(か・けいこく)教授がこのほど、「改正反スパイ法」が海外から中国への留学生減少の要因になっていると指摘し、改善を提案したことが話題となっています。
《詳細》
昨年7月に中国で施行された「改正反スパイ法」は、従来と比べスパイ行為の定義が拡大され、あいまいになったことで、当局による恣意的な拘束が行われやすくなると世界中から批判が相次いでいました。
そうした中、賈氏は6日、中国のSNS「微信(ウィーチャット)」での投稿で、この「反スパイ法」が海外からの留学生減少の原因になっていると指摘。同法の規定があいまいで、「(学術研究で)どのような情報をいかに収集すれば違法にならないのか明確でない」と述べ、同法の実施細則をできるだけ早く明らかにし、「曖昧さを減らし、合法的な学術研究を保護する」よう求めました。
中国では、昨年のアメリカからの留学生が約350人と、10年前の約1万5000人から激減。韓国からの留学も、2017年と比べ8割近く減っています。同氏は、コロナ禍に伴う行動制限の撤廃後、西側諸国に留学する中国人は大幅減少していないため、米中対立などの地政学的要因ではこの留学生の激減を説明できないといいます。
中国の国政助言機関「人民政治協商会議(政協)」の常務委員でもある同氏の発言は、当局への批判とも受け取られかねず、異例の言及だということです。
《どう見るか》
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