中国共産党体制を批判した中国系オーストラリア人作家に猶予付き死刑判決 他の人を怖がらせるための見せしめか

2024.02.07

《ニュース》

中国・北京の裁判所は5日、スパイ容疑に問われている中国出身でオーストラリア国籍の作家の楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏に、執行猶予付きの死刑判決を言い渡しました。

《詳細》

楊氏は、中国の外交官や国家安全部(情報機関)を経て、退職後にオーストラリア国籍を取得して、主に米ニューヨークとオーストラリアに居住。二重スパイを題材とした小説を執筆したり、ブログやSNSで中国の共産党体制を批判し、自由や民主主義の大切さを訴える内容を書いたりする活動を行ってきました。

2019年1月、中国・広州の空港で身柄を拘束され、20年10月、スパイ罪容疑で起訴。21年5月から非公開の状態で裁判が行われていました。楊氏はオーストラリアやアメリカなどのためにスパイ活動を行ったことを全面的に否定し、「やっていないことは決して告白しない」と語っています。

今年2月5日付米ラジオ・フリー・アジアの報道によると、北京の裁判所は、楊氏が1994年に香港の勤務中に台湾情報機関に情報を提供したとして、死刑を宣告。他に重大な罪を犯さなければ2年後に終身刑に減刑し、すべての個人財産をはく奪するという判決を下しています。

オーストラリア当局は、楊氏の処遇に懸念を示してきました。同国のウォン外相は、「この結果に驚愕している」と指摘。「我々は、楊氏に対して国際規範と中国の法的義務に従って基本的な正義の基準、手続き上の公正さ、人道的な扱いが適用されるよう、求めてきた」「オーストラリアの全国民が、楊氏が家族と再会することを望んでいる」として、引き続き解放を求めていく考えを示しました。

楊氏は腎臓症を発症しており、病状がかなり悪いため、楊氏の親族は刑務所内で死去する可能性が高いことを懸念しています。

《どう見るか》

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タグ: 民主主義  逮捕  中国共産党  拘束  でっち上げ  死刑  楊恒均  終身刑 

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