宗教弾圧を強める中国政府、従属を拒否する教会を閉鎖・牧師を逮捕 近代政治原理の根底には宗教が説く普遍的価値観がある
2022.10.06
《ニュース》
宗教を敵視する中国政府は、政府に従属することを拒否する国内のキリスト教会に対し、弾圧を強めています。
《詳細》
山西省臨汾(りんふん)市にある家庭教会(the Covenant Home Church)の牧師と長老が、9月30日に逮捕されていたことが明らかになりました。各国における宗教弾圧を取り上げるメディア、ビター・ウィンターがこのほど報じました。
同教会は、中国政府が主導する同政府公認のプロテスタント系組織「三自愛国教会」への参加を拒否していました。逮捕に先立ち8月には、教会のメンバー約70人が親子キャンプに参加していたところ、100人を超える武装警察から襲撃を受けたといいます。武装警察はキャンプに参加していた大人を拘束し、牧師と長老の家を捜査した上で、聖書やキリスト教の本などを没収したとのことです。
陝西(せんせい)省西安市でも8月、30年ほどにわたって続いてきた政府非公認の西安豊盛教会が政府に「邪教(カルト)」と認定され、閉鎖させられています(8月11日付ビター・ウィンター英語版)。
中国共産党は昨年12月に「全国宗教工作会議」を開催。そこで習近平国家主席が、「非中国的」で「違法」な宗教団体の取り締まりを強化するよう呼びかけました。これを受け、宗教弾圧がさらに強まったものと見られ、中国各地に情報ネットワークを有するビター・ウィンターによると、今年に入ってから各教会をめぐる状況が悪化しているとのことです。
今年5月には香港警察が、本誌でも取材してきたカトリック教会・香港教区トップの司教を務めた陳日君・枢機卿を、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕しています。
《どう見るか》
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