「クレッシェンド 音楽の架け橋」 - リバティWeb シネマレビュー
2021.12.24
© CCC Filmkunst GmbH
2022年2月号記事
Movie
クレッシェンド 音楽の架け橋
実在の和平オーケストラにインスパイアされた物語
- 【スタッフ】
- 監督:ドロール・ザハヴィ
- 【キャスト】
- 出演:ペーター・シモニシェック、ダニエル・ドンスコイ、サブリナ・アマーリ
- 【配給等】
- 配給:松竹
- 【公開日】
- 2022年1月28日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
© CCC Filmkunst GmbH
【レビュー】
世界的な指揮者のスポルクは、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、和平交渉が行われる南チロルで平和を祈るコンサートを開くという企画を引き受ける。スポルクの下には、家族の反対や軍の検問を乗り越えてオーディションを勝ち抜き、音楽家になるチャンスを掴んだ20余人の若者が集った。
しかし仲良く練習できるはずもなく、「アラブ人は敵だ!」「パレスチナはアラブ人のもの!」とぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは、南チロルでの21日間の合宿を決行。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合うことで、少しずつ心の壁を溶かしていく。
コンサート前日、ようやく心が一つになった彼らだが、想像もしなかった事件が起きる──。
イスラエルとパレスチナ紛争のリアルを音楽を通じて伝える本作。祖先の時代からの悲劇や涙を抱きしめ、今もテロや攻撃の脅威に怯えながら生きる若者たちが、お互いを知り、分かり合うことで、美しいハーモニーを奏で出す。
紛争の解決は簡単ではないことを知らしめつつ、未来への希望を残す本作は、今も世界中で起きている宗教や民族間の対立における、一筋の光明ともなるだろう。
ザ・リバティWeb シネマレビュー
「クレッシェンド 音楽の架け橋」
(星4つ。満点は5つ)
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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