コロナ禍の今こそ観ていただきたい、神様の思いが詰まっています。 - 映画「美しき誘惑─現代の『画皮』─」SPECIAL INTERVIEW 長谷川奈央
2021.04.29
Phtograpghs by Juan Carrera(ホアン カレラ)
2021年6月号記事
Special Interview
映画「美しき誘惑─現代の『画皮』─」
コロナ禍の今こそ観ていただきたい、
神様の思いが詰まっています。
5月14日公開の映画「美しき誘惑─現代の『画皮』─」。大手銀行副頭取の秘書として働く山本舞子と将来の総理大臣の有力候補と言われる塩村太郎は急接近するが、舞子は「九尾の狐」に取り憑かれた妖魔だった──。表層的な情報に惑わされ、本当の美しさや価値を見失いつつある現代の問題に迫る本作でW主演を務めた、長谷川奈央さんに聞いた。
映画「美しき誘惑─現代の『画皮』─」W主演
長谷川 奈央
Profile
(はせがわ・なお)1992年生まれ。主な出演作に、映画「夜明けを信じて。」「心霊喫茶『エクストラ』の秘密」(共に2020年/日活)、「世界から希望が消えたなら。」(2019年/日活)、テレビドラマ「ぬけまいる~女三人伊勢参り」(18年/NHK)「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」(17年/NHK)、舞台「MOTHERマザー~特攻の母鳥濱トメ物語」(17年/エアースタジオ)ほか。
──初の主演映画で、難しい役どころでもあったかと思いますが、役作りで特に意識したことは。
初めは、山本舞子と自分は全く別と感じてしまって。「こんな性格の悪い女性を演じたくない!」という気持ちが出てしまい、泣いてレッスンにならない日もありました。
自分と舞子の共通している部分を探してみようと、客観的に自分の人生を振り返ってみたんです。すると、これまで「いいな」と思った相手は、自分をいつもほめてくれる、私の気持ちを理解してくれるような人ばかりだったことに気づいて。与えるのではなく、もらうことが幸せと感じていたんですね。「これが妖魔性や画皮性と言われるものだ。山本舞子だ!」とハッとしたときに、他人事ではなくなりました。
主題歌の「美しき誘惑」も、とても参考になりました。舞子の心境で演じきるために、撮影中も「美しき誘惑」や、私が歌わせていただいた「Selfish Love」をシーンに合わせて聴いていました。
「仏の子」として妖魔を演じる
──昼は銀行の秘書、夜の女、そして妖魔の3役を演じられていますが、演じ分けで心がけたことはありますか。
昼と夜で仕草や動きに差をつけようと、銀行の時は歩くスピードも速くしたりして仕事ができる女感を演出。夜は逆に、ゆったりした演技を心がけました。
難しかったのが、表面は謙虚にしつつ、妖魔性を見せることです。清楚に装っている銀行のシーンのほか、W主演の市原綾真さん演じる塩村太郎にも、襟を直してあげたりと、「与える愛」みたいな姿を見せるのですが、「奪う愛」の心を保ちながらの謙虚な演技は難しかったです。
妖魔を演じながら、妖魔に心を乗っ取られないことも修行でした。自分の中にある神仏と同じ性質である「仏性」を見つめ、仏の子としての自信を持ち、仏と一体となって妖魔を演じるという心境を意識しました。
妖魔は反省ができないと教えていただいていたので、毎日、撮影が終わった後、「今日はどれだけ自分を捨てて取り組むことができたか」を見つめ、反省の時間を取りました。重要なシーンは幸福の科学の導師の方が現場まで来て、お祈りや祈願で結界をつくって護ってくださって、とてもありがたかったです。
──W主演の市原綾真さんは、どんな存在でしたか。
主演は座長として作品を背負う大変な役割なので、市原さんの存在が本当に支えでした。私は喜怒哀楽が激しいところがあるのですが、市原さんは穏やかで、真面目で、いつも淡々と役作りを進めている。そんな姿を見て、私も頑張ろうと思えました。
神仏の愛に気づいた
──これまでの幸福の科学の映像作品は、光と闇の戦いでした。でも妖魔は自己中心的ではあっても、完全な悪ではありません。
自己中の塊だった妖魔が、太郎を通じて仏の光、愛や慈悲を感じ取るんです。どんなに神様を否定したとしても、神様は限りない慈悲で私たちのことをずっと愛してくださっている。実は、私の信仰との出会いも、そう気づいたことが始まりでした。
神様の愛を感じ、神仏に「こんな未熟な私ですが、今までの自分を捨てて神様のために生きます」と祈った瞬間を思い出しながら、自分自身も保身の思いを捨てて、全力で取り組みました。
──舞子を演じた前後で、変わったことはありますか。
かなり変わりました。自分の中にあった、他人からもらうことがうれしい気持ちや結果を早く求めてしまうところに潜む、唯物的な傾向といった、「画皮性」に気づけたことが大きいです。今はまだ気づいた段階なので、これからどこまで自分を鍛え上げていけるか、修行です。
日々の生活の中で、与えられていることや恵まれていることに目を向けて、感謝できる自分になりたいです。
ぜひ中国の人にも観てほしい!
──公開にあたって、本作に期待することは。
画皮って、日本ではあまり馴染みがないですが、中国では多くの人が知っているらしいんです。サブタイトルに「画皮」と記されている、「現代の画皮」を描いた本作をぜひ、中国の方に見ていただきたいと思っています。
画皮は、たとえ人類が破滅しても、自分の永遠の美を残せればいいと思っている。国内や世界で弾圧を繰り返している今の中国に似ているなと思って。新型コロナウィルスもそうですよね。ばれなければ悪いことをしてもよくて、自分たちの発展のためなら他国がどうなってもいい。この時期にこの映画が公開されるのは、世界的にも意味があることだと思います。
私たちは皆、神様が創られた存在であり、神様は全ての人を愛し、救いたいと思われている。そんな思いや真実が込められている映画だと思います。本作から、画皮は神様が喜ばれる生き方ではないことに気づく人が一人でも増えてほしいです!
Director Interview
霊的真実を描く魂を救える映画です。
メガホンを取った赤羽博監督に、本作に込めた思いや製作の舞台裏などを聞いた。
赤羽 博
Profile
(あかばね・ひろし)1975年、専修大学法学部法律学科卒業後、フリーのテレビドラマの助監督となり、85年には木下プロダクション(現ドリマックス・テレビジョン)に入社。TBS系連続ドラマ「毎度おさわがせします」で演出家としてデビュー。88年、木下プロを退社し、アベクカンパニーの設立に参画。「教師びんびん物語」「GTO」を演出しヒットさせた。映画「世界から希望が消えたなら。」(2019年/日活)で、マドリード国際映画祭2019長編外国語映画部門最優秀監督賞を受賞。
──脚本を最初に読んだ時の印象についてお聞かせください。
「世界から希望が消えたなら。」や「夜明けを信じて。」など、過去に監督をさせていただいた幸福の科学の作品には、悪魔との戦いのシーンがありますが、妖魔と悪魔は違うと教えていただき、「単純な善と悪の戦いではないんだ」と。「妖魔と悪魔の違いを映像でどう表現するか」が最初の課題でした。
今の世では、お金や美しさなど、「目に見えるものが全て」という「画皮」のような考え方が当たり前になっていますよね。これは、戦後、価値観が唯物史観になったのも大きいと思うんです。目に見えるものだけを信用する。妖魔からすれば、日本人は絶好の獲物なわけです。
海空を演じるため実際に坊主に
妖魔「九尾の狐」は中国の唐の時代に楊貴妃、日本の平安時代には藤原薬子に入り、国を傾かせた。本作でも山本舞子に取り入り、これから日本を背負って立つ青年をたぶらかして、国を亡ぼそうとする。それは自分の美しさを保ち、妖力を上げるため。すさまじい自己中ですよね。演じた長谷川奈央さんも大変だったと思います。
──その長谷川奈央さんと市原綾真さんという、W主演のお二人の演技はいかがでしたか。
奈央さんは妖魔に取り憑かれた女性・山本舞子を演じました。実際に妖魔を呼び込んで演技をすれば、リアルさは出るかもしれませんが、そうはいきませんよね。
ホステス役では、妖魔になりきってしまわないか心配した時もありましたが、きわどいシーンや重要なシーンには幸福の科学の導師が現場でお祓いをして、結界を作ってくれたので、奈央さんも妖魔に取り憑かれることなく、撮影に臨めました。
市原くんはとにかく一生懸命演じてくれました。それで塩村太郎は形になりましたが、空海をモデルにした僧侶・海空は、それだけでは足りない。海空役には本当に坊主にしてほしかったので、この役をやると決まった時に、市原くんに「髪を剃るぞ」と言ったんです。
そうしたら「やります!」と即答しました。普通の役者なら抵抗するものですが、彼に迷いはなかったですね。いざ剃ってきたら、目が違っていて驚きました。海空を演じるという、彼なりの覚悟があったのでしょう。
──神社や銀行、高級クラブなど、さまざまな場面が展開しますが、赤羽監督が特にこだわられたシーンはありますか。
このシーン、と言うよりも、僕は作品全体を通して、画面の中の色に気をつけます。例えば、日本間で和服の時には、同系色の着物を着せた方がいいのか、それとも反対色か。クラブのホステスたちはどういう色を着るんだろう、と考えて、例えばクラブZで舞子がグリーンのドレスを着る時には、ママには黄色っぽい着物を着せて、ツーショットで対照になるような。そういうことは非常に意識しました。色がきれいな作品になったと思います。
正しい信仰のもと自分の心を見つめる
──本作を通じて、監督が伝えたいメッセージは。
この作品に取り組み、自分の中にも妖魔性があると気づきました。褒められたい、称賛されたい、稼ぎたいという思い。あと、見た目で判断する心。やはり男だから妙齢の女性には弱い(笑)。ただ、こういう心は年代を問わず、誰にでもあるんじゃないかな。
どうすれば妖魔の罠に引っかからないで済むかを考えた時に、この映画は「真善美」とは何かを問うているのではないかと思いました。それなら、見てくれではない「本当の美」を僕の中でも、表現できないといけない。本当の美を正しく見抜ける目、判断力を持つには、作中で市原くん演じる太郎が取り組んでいた、自己参究こそが大切になってきます。
神仏を信じ、正しい信仰のもと、自分の心を見つめ続ける探究心があれば、画皮に騙されないのではないのかな。
そして、真実の美を追求し、自分の心を磨こうと努力する人は美しいですよね。心正しく、人のために自己犠牲を払ってでも尽くす。そのような生き方は、外見にも表れます。
そして尊敬されると、女性ならますますきれいになっていきます。それこそが真実の美しさと呼ぶものでしょうね。
単なる恋愛映画ではない
太郎は、妖魔に取り憑かれている舞子を見捨てることもできました。でも逃げない。なぜなら仏の道を歩む"求道者"だから。舞子の魂を救わないと、また妖魔に取り憑かれる「連鎖」が続いてしまいます。見捨てては、求道者としての責任が果たせない。
妖魔は反省ができません。肉体が滅びるより、魂からの反省のほうがよほど苦しいのでしょう。痛みをいとわずに舞子の苦しみを受け入れ、反省に導こうとする太郎は、正に自己犠牲の塊です。魂は永遠で、皆、神仏に近づくために、何度も生まれ変わって魂を磨いている。その「霊的真実」を二人の姿は伝えています。
若く、美しくいたいのは女性の性でしょう。男性もそうですが、女性は美に関しては特化していますよね。舞子は美しければいいものが手に入ると思い、生き方を間違えた、悲しい女性です。
ただ、本当に舞子は太郎が好きだったのでしょう。その愛はもしかしたら、純真なところもあったのかもしれません。そして、太郎も舞子を見捨てなかった。本作は単なる恋愛映画ではなくて、霊的真実を描いた、魂を救う映画です。
『美しき誘惑-現代の「画皮」- 』
- 【公開日】
- 公開日:2021年5月14日(金)全国ロードショー
- 【製作総指揮・原作】
- 大川隆法
- 【キャスト】
- 出演/長谷川奈央 市原綾真 芦川よしみ モロ師岡 矢部美穂 中西良太 デビット伊東 千眼美子(特別出演) 杉本彩 永島敏行
- 【スタッフ】
- 監督/赤羽博 音楽/水澤有一 脚本/大川咲也加
- 【製作】
- 幸福の科学出版
製作協力/ニュースター・プロダクション ARI Production
制作プロダクション/ジャンゴフィルム - 【配給等】
- 配給/日活 配給協力/東京テアトル
公式サイト https://utsukushiki-yuwaku.jp/
©2021 IRH Press
【Story】
昼は大手銀行副頭取の秘書、夜は銀座のホステスとして働く山本舞子は、将来の総理大臣の有力候補と目される塩村太郎と急接近し、結婚の準備が進む。太郎は人生の師である教祖・橘勝子から、舞子が「九尾の狐」に取り憑かれた妖魔であると告げられる。「彼女にも良心がある」と信じたい太郎の葛藤は膨らむ。結婚式当日、果たして──。
【Songs】
「法力」2ヵ国 5冠
イメージソング
Selfish Love/法力
〔作詞・作曲〕大川隆法
[Selfish Love]〔歌〕長谷川奈央〔編曲〕大川咲也加 古賀晃人
[法力]〔歌〕市原綾真〔編曲〕大川咲也加 水澤有一
【Books】
発売:主題歌はARI Production。イメージソングはニュースター・プロダクション。その他はいずれも幸福の科学出版。
映画予告や音楽の最新情報は、公式サイトで確認できます。
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