錬金術の歴史を振り返る-アラビア世界の錬金術1-【HSU・志波光晴氏の連載「錬金術について」】
2020.04.07
HSU 未来産業学部プロフェッサー
志波 光晴
プロフィール
(しわ・みつはる)1957年、福岡県生まれ。神奈川大学経済学部経済学科卒業後、プラントメンテナンス会社、非破壊検査装置会社で働く中で理科系の研究者を決意。放送大学教養学部で理科系を学び、東京大学先端科学技術研究センター研究生を経て、同大学工学部より工学博士を取得。同大学先端科学技術研究センター助手、(財)発電設備技術検査協会鶴見試験研究センター研究員、(独)物質・材料研究機構上席研究員を経て、2016年よりHSU未来産業学部プロフェッサー。専門は、材料工学、非破壊検査、信頼性評価。著書に「環境・エネルギー材料ハンドブック」(オーム社)など。
前回の記事では、「錬金術は本当にできるのか」という読者の質問に答えました。内容を簡単におさらいすると、次の通りです。
「衰退したとされる魔法や魔術は、学問や科学を通じて現実化し、魔法使いではない多くの人たちが使えるようになりました。今日の学問や科学が、近代における魔術の民主化・大衆化の姿です。また、キリスト教の価値観によって、超能力や霊能力が表舞台で扱われなくなった面もあります。本連載の目的は、"白魔術の錬金術師養成道場"を創るには、どうしたらよいかを考えることです」
これまで見てきた「古代からローマ帝国時代にかけてのエジプトの錬金術の歴史」から、技術とは、その時代の世界観や人間観に大きく影響されることに気づかされます。今日、哲学や思想と呼ばれるものの底流には、そうした世界観や人間観があり、その奥には宗教があります。これらによって、社会や文明の価値観が決まります。
錬金術の本質を知るためには、社会や文明の価値観の奥にある「宗教の世界観や人間観」を明らかにし、そこから逆照射して考えることが必要なのです。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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