アフリカで展開する中国の新植民地主義
2011.04.01
米紙ワシントン・ポストのコラムニストで、ジョージ・W・ブッシュ大統領のスピーチライターでもあったマイケル・ガーソン氏が、30日の寄稿で、中国のアフリカでの投資を「新植民地主義」と批判している。
ガーソン氏はまず、中国の援助で議会やサッカー・スタジアムなどが建てられているマラウィの様子を指摘した上で、こうした見てくれと言わんばかりの投資は、アフリカ諸国の政府の関心を買うためだと指摘。中国の動きは新植民地主義であり、経済資源を確保し、中国製品の輸出市場を確保するのが目的だと分析している。
その悪影響としては、内政不干渉主義をうたう中国との協調は民衆の弾圧に好都合なほか、中国による天然資源採掘の要請で単一資源に依存する脆弱な経済構造が強まる。また中国からの製品輸入は現地国の経済発展の機会を奪うことになる。
ガーソン氏は、アフリカ諸国が必要なのは、アメリカがこれまで推し進めてきた自由貿易や民主化、政治の安定であって、アメリカが内向きになって援助を怠れば、さらに中国の進出が強まると論じている。
途上国に発展の術を伝えるのも先進国のあるべき姿だろうが、利己的な対外政策をとる中国はいまだ大国の責任を果たす役にあるとはいえない。
また、途上国支援でも欧米の役割は依然大きいが、アメリカでは財政健全化の議論の中で対外援助の削減を提案する声も出ている状況である。日本はアジアのたくましい成長を率いてきたが、先進国としてアフリカの発展を効果的に援助する方策も探る必要があろう。それはまた、資源確保や中国への牽制といった国益にも適う。
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