通訳を介さない令和の皇室外交をどう見る? 「日本国憲法」の問題点
2019.05.30
天皇、皇后両陛下が、令和初の国賓として来日したトランプ米大統領夫妻と会見されました。
会見や宮中晩餐会において、両陛下が通訳を介さず英語で話される場面が報じられると、ネットなどでは「新しい時代の皇室外交」「皇后陛下のお姿がとても素敵で憧れる」などと話題になりました。
適応障害と診断され、現在も療養中の皇后陛下が、元外交官のキャリアを生かして活躍される姿は、多くの人の共感を呼んだといえるでしょう。
気になるのは、この「皇室外交」という言葉です。外交とは本来、きわめて政治的な行為です。日本国憲法では、「天皇は国政に関する権能を有しない」と定められており、政治的に中立であることが大原則です。
どのような国のお客様でも変わりなく接するという前提の下、国賓への会見は政治的なものとはみなされていません。しかし、通訳を介さないで直接お話ができるなら、政治的な話題について、直接ご自身の意思を伝えることも可能となります。
天皇は政治的な存在なのか否か。実はこのあたりが曖昧にされている現行憲法の問題点について考えてみたいと思います。
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