リビアでもデモ、在位41年のカダフィ政権は揺らぐか
2011.02.18
「ムアマル(・カダフィ)はアラーの敵だ」──リビアでも民衆のデモが発生したことは、中東の激震の大きさを象徴している。
同国は1969年にカダフィ大佐がクーデターで政権を掌握して以来、徹底した長期独裁政権を強いてきた。在位41年だ。シリアのアサド、イラクのフセイン両元大統領と並び、もっとも強圧的な政治体制を維持してきたといえる。今回のデモは、同国第二の都市ベンガジで起きたことも注目すべきポイントだという。ベンガジはイスラム原理主義者が多く、エジプトのナセル大統領路線を転換し、親米・親イスラエル路線に変えたサダト氏を暗殺したジハード団はリビアで訓練を受けたという情報もある。住民には、イスラム主義を押さえ込んできたカダフィ政権に対して反発があり、カダフィ政権は常にベンガジの反政府運動を警戒してきた。カダフィももう若くなく(69才)、30代の息子二人が次第に父親の政治的役割を担いつつあり、タイミングを見て、どちらか一人を表舞台に立たせるやり方を繰り返している。息子二人はともに治安部隊とのつながりを持っているという。チュニジアのように欧米的に見て開けた国と比べ、リビアは部族主義の色彩が強くカダフィ大佐の政治基盤は強い。今後どうなるかが予測できないところである。(HC)
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