「国の借金」は誰のものか

財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券の残高などを合計した「国の借金」の総額が、2010年末時点で919兆1511億円に達し、再び過去最大を更新したと発表した。

各メディアは、国民一人あたりの借金は約722万円になるなどと報道しているが、これには誤りがある。日本の国債は90数％が日本人によって購入されており、債務を負っているのはあくまで「政府」であり、債権者は「国民」のほうだ。あたかも国民がつくった借金であり、納税によって支払わなければならないかのように報道するのは、「増税やむなし」の世論誘導をしていると言っても過言ではない。

また、国の借金のなかには、資産として残っているものがある。道路や空港、橋、ダム、公共の建物などはすべて国の財産であり、少なくとも600兆円以上あるという見方もある。政府は借入金のみがあるかのよう言うのではなく、持っている資産についても合わせて公表し、実質的な借金がいくらかを明らかにすべきだ。（雅）

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