アメリカで中絶規制に無効判決 親子の魂には深い縁がある
2016.07.12
アメリカで、人工妊娠中絶に関するひとつの判断が示された。
アメリカ連邦最高裁が、人工妊娠中絶を規制するテキサス州の州法を、無効とする判決を出した。
この規制は、人工妊娠中絶を行う医療施設の設営を規制するもので、2013年に成立したテキサス州法に基づいて導入された。導入後、同州では、約40カ所あった中絶を実施する病院の約半数が閉鎖され、今後も閉鎖が進む見通しだった。他の州にも、共和党を中心に同じような規制が広げられている。
しかし、この判決で他州の中絶の規制も無効になると見られている。
アメリカでは意見が真っ二つ
人工妊娠中絶について、アメリカでは意見が真っ二つに割れている。
一方は、今回の判決と同じ側に立つ、与党・民主党の意見だ。民主党の大統領候補であるヒラリー・クリントン氏は、「全米にとっての勝利、中絶は現実の権利であるべき」と、判決を歓迎するコメントを出した。
もう一方は、中絶に反対し、その規制を強めようとする、野党・共和党の意見。
共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏は、過去にインタビューで「妊娠中絶は刑罰の対象とすべきか」と問われ、「何らかの形で罰せられるべきだ」と述べた。さすがにこの発言には、民主党だけでなく共和党の政治家からも強い批判を受け、数時間後に修正したが、中絶に反対する立場は共和党に共通している。
ちなみに日本では、「身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがある」場合と、「暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した」場合には、合法的に中絶できることになっている。
ただ、「経済的理由」が拡大解釈されて実施されていることが多いのが現状で、特に20歳未満の中絶率は61.8%(2012年)と、半分以上にのぼっている。
9週目に入るころ胎児に魂が宿る
人工妊娠中絶の是非については世界各国で大きく違い、宗教的な理由から全く認められない国もあれば、合法だが反対が根強い国もあり、また、日本のように例外を設けて認めている国もある。
どの世界宗教も、厳格さに違いはあるが、人工妊娠中絶は禁止している。しかし、医療技術が進み、母体と胎児の状態がよくわかるようになった現代において、どこまで厳格に禁止すべきかの判断は揺れている。
そこで考えておきたいのが、妊娠のとき、霊的に何が起こっているか、だ。
大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『じょうずな個性の伸ばし方』で、「 妊娠後、三カ月になると、胎児に魂が宿ります。もっとも、妊娠の場合、一カ月を四週単位で数えているので、それは実際には九週目に入るころです 」と述べている。
人間は、あの世から何度も生まれ変わっては、様々な時代に魂経験を積んでいる存在だ。生まれてくる前には、夫婦や親子になる人と「今回の人生を素晴らしいものにしよう」と約束して生まれてきている。親子になるのも偶然ではなく、両親と子供は深い縁がある。
こうした霊的事実を踏まえて考えれば、人工妊娠中絶はすべできはない。特に9週目以降は赤ちゃんの魂が宿るため、殺人と同じになってしまう。
ただ、やむを得ない事情で中絶する場合もある。日本のように「経済的理由」での実施が多い状況は問題があるが、母体に危険がある場合や、中絶が禁止されているパラグアイで強姦の被害にあって妊娠した11歳の少女が出産に至ったケースもあり、完全に禁止することにも問題はある。
もしやむを得ず中絶を選んだとしても、霊的事実を踏まえるならば、しっかりと供養の念いを手向けることが必要だ。
母親の健康や人権を守ると同時に、声なき赤ん坊の"人権"にも目を向けるべきだろう。(朗)
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