投資で年1割近いリターンを出す英国国教会 市場の健全化に必要なもの

電車に乗ると、よくスマホゲームに熱中している大人に囲まれることがある。そんな状況に、「日本の未来は大丈夫?」と思っている人は少なからずいるのではないだろうか。

ここで言いたいのは、「スマホより読書を」という話ではない。「市場で価値あるものが選ばれるにはどうすべきか」という話だ。

米ウォールストリート・ジャーナル紙(8日付)は、英国国教会の財務委員会が約70億ポンド(約1兆円)の教会資産を運用して、昨年は8.2パーセントのリターンを上げ、過去30年の年平均リターンが9.7パーセントに達したと報じている。

記事によれば、このような高いリターンを上げている理由は、一つには、教会への献金が原資であるため、超長期的な視点を持つことができるということ。さらには、倫理を重視した投資方針を掲げていることにあるという。たとえばポルノなどへの投資は避け、倫理的かつ社会的にも歓迎される事業に対し、投資し続けている。