ロシア下院が新核軍縮条約の批准を承認

2011.01.27

ロシア下院が25日、新戦略兵器削減条約(新START)の批准を、過半数の賛成で承認した。

米上院は昨年末に承認済みで、ロシア上院も26日に承認する予定。その後、両国が批准書を交換し条約発効となる。

同条約は昨年春に米オバマ大統領と露メドベージェフ大統領が合意したもので、発効から7年以内に戦略核弾頭の配備上限を1550発、運搬手段総数の上限を800とするなど、両国の戦略核兵器の新たな削減目標を設定している。

米上院が「ミサイル防衛(MD)計画は新条約に縛られない」旨の付帯決議をしたことに対抗し、ロシア下院が「米国がMDを展開すればロシアは新条約から脱退できる」旨を批准法に加えるなど、両国の溝は残るが、冷戦時代の負の遺産の解消に向けた前進と言える。

しかし一方で新冷戦とも言われる中国・北朝鮮と韓国、イランとイスラエルの対立など、アジアの軍事的緊張には解決の道筋がついていない。米国はイスラエルを、ロシアは中国を軍事支援するなど、これらの問題には米ロも深く関与してきたが、両国の軍縮がアジアの平和に直結するかは未知数だ。早急に核軍縮の流れに入るべき中国やイランにその意志は見られず、オバマ大統領の言う「核なき世界」への道のりは遠い。米ロが自国の経済的利害や互いの牽制に汲々とするのでなく、アジアを含めた世界的な軍縮に責任を果たすことを期待する。(由)

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