【『正義の法』を読み解く】メキシコで市長暗殺 悪に屈するのは「奴隷の平和」
2016.01.10
メキシコのテミスコ市のジセラ・モタ市長がこのほど、自宅に侵入した暴漢に暗殺された。モタ氏は、犯罪や麻薬組織を厳しく取り締まることを約束して市長に当選。暗殺のわずか1日前に就任したばかりだった。
政府の軍隊より金持ちな麻薬組織
メキシコは以前から、南米で生産され、アメリカに流入する麻薬の通り道となってきた。麻薬組織は、メキシコの貧民層を、「運び屋」や殺し屋として雇うことが多い。多くの麻薬組織が暗躍しており、8つの大きな組織が、麻薬ルートやナワバリを確保しようと、現在、抗争を繰り広げている。
また、2006年にメキシコ軍が麻薬組織撲滅に乗り出して以来、「麻薬組織が軍に仕掛けるゲリラ戦」が、治安をさらに悪化させている。数字を見ると、治安の悪さが一目瞭然だ。
06年から13年の間に、麻薬組織同士のナワバリ争いや、政治家、ジャーナリスト、警察、そして、軍などに対する攻撃で、推計12万人が殺害され、2万7千人が行方不明になっている。
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