2012年12月号記事
日本の「常識」を破壊せよ
「迎合しない」幸福実現党の人々
宗教政党・幸福実現党は、「原発推進」「減税路線」「核武装の国民的議論」などを主張する。「常識」を引っ繰り返していくという点で、「空気を読まない」政党である。今回は、その空気を読まない同党の役員の知られざる素顔に迫った。
(編集部 山下格史、居島有希)
「脱原発は間違いだー」「原発を再稼働せよ!」「風力発電は風まかせだ!」
毎週金曜に「脱原発」運動が行われる東京の首相官邸前で、9月25日、それとは真逆の「政府に原発推進を求める集会」が開かれた。
道行く人々は「えっ、原発推進!?」と思わず二度見。官邸周辺を警備する警察官も「ここで『推進』を訴える人たちを初めて見た」と目を丸くしていた。
この集会には約1000人が参加。協賛団体に名を連ねた立木秀学・幸福実現党党首はマイクを握り、首相官邸に向かってこう訴えた。
「原子力発電はエネルギー供給の安定に欠かせない技術であり、潜在的な核抑止力でもある。日本の平和と繁栄に必要だ」
集会には、9月18日に尖閣上陸を果たした、幸福実現党の党員でミュージシャンのTOKMA氏も参加。魚釣島の慰霊碑周辺を掃除したホウキを掲げて、原発推進を訴えた。
幸福実現党の政策を他党やマスコミがパクる
幸福実現党は2009年春の立党以来、中国・北朝鮮の脅威に対する国防強化や核武装議論の必要性、減税による経済成長や農業の自由化など、票が減ることを恐れて他党が避けたり、事実誤認しているテーマに対し、堂々と正論を訴えてきた。有権者からは「非常識だ」「空気を読めない人たちだ」と批判を浴びることもある。
だがその後、国内外の環境が変化するにつれて、民主党や自民党が幸福実現党の政策を真似し始めたり、新聞やテレビの論調も同党と近いものに変化している。
この事実は、「空気を読まない」幸福実現党の人々に、いかに先見性があるかの証明と言えよう。今回は、関係者への取材を通じ、幸福実現党役員の知られざる「素顔」に迫った。