トランプ米大統領は1月の一般教書演説で「巨額の減税は中流階級と中小企業に大きな安心感を与える」と訴えた。写真:ロイター/アフロ

2018年4月号記事

中小企業を復活させる

160兆円のトランプ減税

日本には重税がのしかかる一方で、アメリカでは昨年末に1.5兆ドル(約160兆円)の大型減税が成立した。これは中小企業を救う秘策だった。


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アメリカでは、製鉄業や製造業が廃れた街を「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」と呼ぶ。トランプ政権になって以降、こうした街に変化が起きている。

1月末、トランプ大統領が行った一般教書演説の場に、オハイオ州から一人の中小企業の経営者が呼ばれた。彼は従業員に昇給し、新たに14人を雇用し、作業場を拡張した。従業員の黒人男性は、昇給分を家の新築と娘の教育費に充てるそうだ。すべては、「減税のおかげ」だという。

中小企業を復活させる減税

これまでアメリカでは、零細企業は重い税負担のために新たな投資ができず、「富める者はさらに富み、貧しい者はずっと貧しい」という状態が続いてきた。

そんな中で昨年末、トランプ政権は「10年で1・5兆ドル(約160兆円)の大型減税をする」と発表した。

すると賃上げしたり、ボーナスを支給したり、新しく人を雇い始める企業が続出。失業率が下がり、自分で働いて稼ぐ人々が増えていった。

さらに トランプ氏は、中小企業が設備投資できるよう、中小企業向けの減税を行った。

幸福実現党外務局長

及川幸久

著書に『 トランプ流勝利の方程式 』(幸福実現党刊)。

アメリカの政治事情に詳しい幸福実現党外務局長の及川幸久氏はこう解説する。

「米企業の約95%は『パススルー』と呼ばれる会社です。パススルーは法人ではないため、法人税は課されません。経営者を含めた出資者が、所得税を払います。全米で約3000万社あります。

これまで、経営者を含めた出資者は最高税率39・6%に及ぶ高い所得税に苦しんでいました。これをトランプ減税で事業所得の20%の税額控除(収益のうち20%分は所得税を払わなくてよい)することを決めたのです。

経営者の手取りが増えるので、設備投資ができますし、人を雇えるようになります。

トランプ政権誕生から1年で新たに雇用された人は240万人。名古屋市の人口に匹敵します。トランプ氏は大統領選の公約で『10年で2500万人の雇用をつくる』と掲げましたが、実現は夢ではありません」

トランプ氏はもともと経営者で、資金繰りをめぐる苦悩を肌身で感じてきた。 経営者の苦しみが分かるからこそ、税負担を軽くすることで、ジョブ・クリエーション(雇用創出)しようと考えているのだろう。 「雇用の創出こそ、最大の福祉政策」だからだ。

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