下関の関門海峡を照らす朝日。

2017年10月号記事

地域シリーズ・山口

ドラッカーも驚いた!?

「マネジメント」と「明治維新」の深い関係

来年は明治維新150周年の節目。

経営学の父・ドラッカーは、明治維新を「偉業」と称えた。

一見、無関係に見える「マネジメント」と「明治維新」。

実は深いところでつながっていた。

(編集部 山下格史、片岡眞有子/写真 渡辺正裕)

経営に携わる人や経営者を目指す人々が、ピーター・F・ドラッカー(1909~2005年)について語る時、そこには必ずと言っていいほど敬意が含まれている。

GEやIBMなどの世界中で事業を展開する企業に大きな影響を与えたばかりか、戦後の政治家で国際社会に強い影響力を持ったサッチャー首相も、イギリス経済を立て直すためにドラッカー理論を参考にしたと言われる。

明治維新を称えるドラッカー

実はこの「マネジメントの父」「経営学の父」が、日本の明治維新を「偉業」と称えている。

ヒトラーと思想的に対峙していた1930年代、日本の歴史を学んでいたドラッカーは「驚くべきものを見つけた」という。

「社会を蘇生させ、固有の文化を守り抜き、政治と経済の機能を取り戻すことに成功した明治維新という七〇年前の偉業」(『プロフェッショナルの条件』)

別のインタビューでは、「吉田松陰の松下村塾で学んだ塾生をはじめ江戸末期に学問を修めた人たち全部が、この時代の世代が明治維新を起こすエネルギーとなった」と語っている。

明治維新で中心的な役割を果たしたのは長州藩(現・山口県)。その意味で、ドラッカーの称賛は長州にも向けられていると言っていいだろう。

また、ドラッカーは企業の寿命について、「歴史的に見て、三〇年以上繁栄した企業はあまりない」(前掲書)と指摘する。

だが山口には、その寿命の4倍を上回る企業が存在する。

さまざまな困難を乗り越え、120年以上の年月を生き抜いてきた企業には、果たしてどのような「理念」があるのか。そして、「マネジメント」と「明治維新」にはどのような関係性があるのか。

山口を訪れ、その秘密に迫った。

次ページからのポイント

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現代経営学を先取りした「松陰精神」

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