2017年5月号記事

タレントの「反乱」が始まった!

芸能界こそ「働き方改革」

「また?」と思うような騒動が、芸能界で続いている。

笑顔で振る舞うタレントたちは、裏でどのように扱われているのだろう―。

今まで笑ってテレビを見てきた私たちも、そろそろこの問題に向き合う時が来ている。

(編集部 山下格史、馬場光太郎)

女優・清水富美加(法名・千眼美子)さんの出家を機に、芸能界で地殻変動が起きている。伏線の一つは2015年に遡る。

「清水富美加さんの『告白』に信憑性があったのは、能年玲奈さんが"干された"時と構図があまりにも似ているからです」

芸能評論家の肥留間正明氏は本誌の取材にそう語る。

広がる芸能事務所への不信感

能年さんは、2013年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロイン役で大ブレイクした。しかしその後、マスコミに「演技指導の女性に"洗脳"され、事務所を独立しようとした」と報じられる。しばらくの間、テレビや映画から姿を消した。

実は、独立の背景にあったのは、清水さんと同じ芸能事務所の劣悪な待遇だった。「あまちゃん」の撮影時、事務所からもらっていた月給は5万円。下着を買うお金すらなかったという。

その後、受けたくない仕事を拒否していると、マネージャーから「態度が悪いから仕事を入れられない。事務所に対する態度を改めろ」と言われ、仕事を干されてしまう。

こうした待遇に耐えかねて、能年さんは2015年4月、事務所独立へ動いたところ、"洗脳された"という形でバッシングされた。事務所の圧力が、メディアに働いたと見られている。

「"洗脳"したと報じられた演技指導の先生は、評判のいい方です。大手プロダクションのタレントが皆、指導を仰いでいました」(肥留間氏)

このトラブルで、日本社会に芸能事務所や、事務所の代弁をするメディアへの疑念が広まった。その不信感に追い討ちをかけたのが、近年で最大の芸能ニュースとなった「SMAP解散」だ。

昨年、SMAPのうち4人が所属事務所ジャニーズを辞めるとの報道が出た。きっかけは、SMAPを長年支えてきた女性マネージャーが、ジャニーズ事務所幹部と対立し、退社したこと。4人が彼女を追いかけて事務所を出ようとした。しかし、ジャニーズは移籍先の事務所に圧力をかけて阻止。見せしめとして、SMAPのメンバーにテレビの生放送で謝罪会見をさせた。

ネット上では、「パワハラ」「ブラック企業」と批判が殺到した。そのいざこざの影響を引きずり、昨年末、SMAPは解散した。

次ページからのポイント

清水富美加さん出家の衝撃

タレントは「荷物」か?

近年相次ぐタレントと事務所のトラブル

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インタビュー 「がんばれよ!って思っている人はいっぱいいる」 / なべおさみ氏

芸能界の「掟」は世界で通用するか?